受験など勉強時のお供にバナナが優れている
5つのわけ
脳がエネルギー不足に
なると・・・
集中力が出ない、勉強や仕事がはかどらない、やる気が出ない、なんだかボーっとしてしまうという時は、もしかしたら脳のエネルギー不足かもしれません。
特に、朝は脳のエネルギーが不足すると、このような状態になりやすいので、集中力や記憶力の低下にも繋がります。文部科学省の調査では、「毎日朝食をとる児童生徒ほど、学力調査および新体力テストの得点が高い傾向にある」という結果が出ています。これは、朝に糖質を含む食事をとることの重要性を示しています。
朝食に、主食・主菜・副菜・果物・乳製品のそろったバランスのよい食事をとるのが理想ですが、忙しい朝には難しいこともあるでしょう。そんな時におすすめなのが、時間のない時でも手軽に食べられ、脳のエネルギーになるブドウ糖が含まれるバナナです。
バナナには、ブドウ糖が含まれるという以外にも、勉強時の栄養補給に優れている理由があります。
勉強時のエネルギー補給に
バナナがいい5つの理由
❶即効性と持続性のある
糖質バランス
バナナには、すばやく脳のエネルギーになるブドウ糖から、ゆっくり消化吸収されていくでんぷんまで、様々な種類の糖が含まれています。 一般的によく食べられる果物(バナナ、みかん、りんご)を比較すると、糖質(表:利用可能炭水化物)が最も多いのはバナナです。 また、バナナには、消化吸収スピードのちがう単糖、二糖、多糖が、まんべんなく含まれていることが分かります。それに対して、同じく糖を多く含むご飯は、ほとんどがでんぷんでできているため、消化吸収に時間がかかります。
すばやく脳のエネルギーとして吸収したいときには、ご飯よりバナナのほうが優れています。
❷低エネルギーで、
消化に負担がかからない
勉強や仕事中のおやつや夜食に登場する食品例(おにぎり、メロンパン、どら焼き)と比較すると、バナナはエネルギーが低く、脂質も少ないため、胃腸での消化に負担がかかりません。
勉強時の消費エネルギーは、体重50kgの人が1.5時間勉強した場合102kcalで、バナナ約1本分のエネルギーに相当します。
夜食などで、遅い時間に脂質やエネルギーが多い食品を摂りすぎると、肥満の原因になるので注意が必要です。
❸糖質代謝に必要な
ビタミンB群を含んでいる
食事から摂った栄養をエネルギーに変えるためには、ビタミンが必要です。その中でも、糖質をエネルギーに変えるためには、ビタミンB群が重要な働きをします。
バナナには、ビタミンB群のうち、ビタミンB1、B2、ナイアシン、B6、葉酸が含まれており、これらは、エネルギー代謝を円滑にする役割を持っています。
食事からビタミンをしっかり摂るには、主食・主菜・副菜・果物・乳製品がそろった食事をすることが基本ですが、勉強時間の間食など小腹がすいた時には、手軽に食べられて、ブドウ糖もビタミンB群もとれるバナナがおすすめです。
❹ストレスに負けない!
ポリフェノール、
トリプトファンのパワー
受験やテスト前の精神的ストレスや、受験シーズンの冬の寒さによる身体のストレスを軽減させるために、積極的に取りたいのが、抗酸化作用を持つ栄養素などです。
バナナには、抗酸化作用をもつ、ビタミンCやポリフェノールが含まれ、特に、食べごろといわれる茶色い斑点(シュガースポット)が現れたバナナほど、ポリフェノールを含んでいるといわれています。
また、バナナに含まれる必須アミノ酸のトリプトファンとビタミンB6によって、精神を安定させるホルモンのセロトニンがつくられます。
これらは牛乳にも多く含まれるので、牛乳とバナナの組合せも良いでしょう。
食事や間食にうまく取り入れて、ストレスに負けない身体と心をつくりましょう。
❺おなかの調子を整える
食物繊維、オリゴ糖を含んでいる
腸内環境は、心身の状態や免疫機能に大きくかかわっています。
特に、寒くなって風邪も引きやすくなる受験シーズンに備えて免疫機能を維持するために、腸内環境を整えておくことはとても大切です。
勉強や仕事で座っている時間が長く、運動不足になると、便通も悪くなりがちです。
バナナは、便のカサを増やし有害物質を排出する食物繊維や、大腸の善玉菌のエサになるオリゴ糖を含んでいるので、腸内環境のケアにも適しています。
普段便秘がちな人はもちろん、そうでない人にもおすすめです。
このように、受験や勉強時の栄養補給にバナナはぴったりです。
受験やテスト勉強を乗り切るために、バナナをうまく活用してみてはいかがでしょうか。
監修:木内 苑子
大妻女子大学管理栄養士専攻を卒業後、管理栄養士免許を取得。
現在は、管理栄養士・栄養士養成の大学や専門学校で講師を務める。
専門分野は、調理学(調理科学)・調理実習・給食実習。
脳のエネルギーになるのは
ブドウ糖
脳の活動に必要な糖質は、主食となるご飯、パン、麺の他に、いも類やバナナに多く含まれています。
食事で摂った糖質は、胃や腸などで消化されてブドウ糖(グルコース)になり、身体の各部位でエネルギーとして利用されます。筋肉や他の器官では、アミノ酸や脂肪酸などの糖以外からエネルギーを作り出せますが、脳のエネルギーになるのは、飢餓状態の場合を除き、ブドウ糖のみです。
さらに、脳は体重のうちの2%程度の重さにすぎませんが、エネルギー消費量は、身体全体の20%にもなります。