バナナとスポーツ

バナナは、
運動・スポーツに
ぴったりのフルーツ!

バナナは昔から
運動・スポーツを
する人にとって
欠かせない果物です

運動やスポーツをする人がバナナを食べるようになったのはいつからでしょう。
少なくとも、いまから約80年前、1940年の東京オリンピックで来日していた外国人の朝食のために、ホテルの朝食でバナナを提供していた記録が残っています。また、約40年前の1984年ロサンゼルスオリンピックでは、アメリカ選手団に用意された食事の中でバナナが一番多く、その量はなんと、約123トンもあったそうです。

いまもバナナは、オリンピックアスリートのみならず、運動・スポーツをする人にとって愛される果物です。 なぜ、バナナは運動・スポーツをする人にとって支持され続けているのでしょうか。

バナナは昔から運動・スポーツをする人にとって欠かせない果物です
バナナは昔から運動・スポーツをする人にとって欠かせない果物です

バナナは
運動・スポーツ時の
エネルギー源になる

バナナは運動・スポーツ時のエネルギー源になる
バナナは運動・スポーツ時のエネルギー源になる

健康な身体づくりと運動のために、主食・おかず・野菜・果物・乳製品の5つが揃った食事は欠かせません。
この中で、特に運動・スポーツ時のエネルギー源としての役割をもつのが、主食やバナナのような果物に多く含まれる糖質です。
食事から取り入れた糖質は、血液中では血糖として存在し、筋肉や肝臓ではグリコーゲンというかたちになって蓄えられています。
多くの人が健康のために取り入れているジョギングなどの運動では、筋肉に蓄えられたグリコーゲンがエネルギー源となります。さらに、高強度の運動では、筋肉中のグリコーゲンの消費も増えていきます。
筋肉のグリコーゲンがなくなると、スタミナ切れともいわれる疲労困憊状態になり、それ以上運動ができなくなってしまいます。
運動・スポーツをする人にとって、糖質はとても重要な栄養素なのです。

糖質は、ご飯・パン・麺などの主食に多く含まれますが、果物のなかで糖質が多く含まれる代表が、バナナです。
さらに、バナナには、消化吸収スピードが違う種類の糖が含まれているという特徴があります。
すばやく吸収され即効性のある単糖類、つぎに消化吸収がはやい少糖類、ゆっくりと吸収され持続性がある多糖類という、すべてが含まれています。

バナナは、“即効性”をもつ糖と“持続性”をもつ糖の両方をあわせもつ、優れた果物なのです。

他にもある!
バナナに含まれる
うれしい栄養素

バナナには、糖質以外にも運動・スポーツをする人にとって必要な栄養素が含まれています。
バナナは、果物の中でも筋肉のエネルギー源となる分岐鎖アミノ酸(BCAA)が多く、さらに、精神を落ち着かせる作用がある、必須アミノ酸のトリプトファンも含まれます。また、エネルギー代謝を円滑にするビタミンB群中では、糖質代謝を助けるビタミンB1、脂質代謝を助けるビタミンB2、たんぱく質代謝を助けるビタミンB6、葉酸を摂取することができます。
そして、運動による発汗によって失われてしまうミネラルであり、筋肉の収縮にとって必要なカリウムやマグネシウムも含まれています。
さらに、バナナに含まれる腸内環境を整えるオリゴ糖や食物繊維も、強い抗酸化作用をもつポリフェノールは、免疫機能を維持するのにも役立つといわれています。

バナナに含まれる栄養素とその働き
バナナに含まれる栄養素とその働き

バナナを食べるのに、
ベストなタイミングは?

オリンピックアスリートも食事の中に取り入れているバナナですが、運動・スポーツをする人にとって、どんなタイミングで食べるのがよいのか、シーン別に紹介します。

朝食にバナナを食べて、
朝日を浴びながら運動する

空腹時の運動は、急激な血糖低下を起こすことがあるので注意が必要です。
また、エネルギー不足で運動すると、エネルギー源として、筋肉が分解されてしまいます。
運動の前には、糖質を含む食事をとりましょう。 また、バナナに多く含まれる必須アミノ酸のトリプトファンは、朝日を浴びて運動をすることで、セロトニンという精神を安定させるホルモンになります。 そして、これが夜には睡眠を促すメラトニンへと変わります。

朝日を浴びながら運動する
朝日を浴びながら運動する

トリプトファンは肉、魚、豆などの食品にも含まれていますが、バナナは脂質が含まれず消化吸収がよいので、朝食を食べるのが苦手な人でも取り入れやすいでしょう。
睡眠の質は、疲労回復やパフォーマンスにも大きく影響します。
試合前など、精神的ストレスが増える時に意識して摂るのもよいでしょう。

運動の1時間前
くらいまでに食べる、
試合間の
エネルギー補給にもGood

バナナは糖質が多いうえに消化吸収がよく、胃腸に負担をかけにくいので、運動前1時間くらいまでに食べるのに適しています。
運動前1時間を切った場合は、固形物では消化が間に合わないので、エネルギー補給用のドリンクやサプリメントをうまく利用するといいでしょう。

バナナはどこの国でも手に入りやすいので、オリンピックアスリートも試合や練習の合間のエネルギー補給に、バナナを食べています。
糖質が不足すると、スタミナ切れの原因にもなります。
手軽に食べられるバナナを補食として取り入れて、スタミナ切れを予防しましょう。

運動後30分以内に、
バナナとたんぱく質を
一緒に摂ろう!

運動後30分以内に、バナナとたんぱく質を一緒に摂ろう!
運動後30分以内に、バナナとたんぱく質を一緒に摂ろう!

運動後はできるだけ速やかに、「糖質」と「たんぱく質」を補給することで、運動で消耗した筋肉のグリコーゲンの回復や、傷ついた筋肉の修復、また、筋肉の肥大効果が期待できます。
糖質とたんぱく質を運動後30分以内に摂るのがよいとされていますが、食事をとるまでに時間が空いてしまう場合には、糖質源としてのバナナに加えて、チーズ、牛乳、ゆで卵などを一緒に摂ると良いでしょう。

糖質は、おにぎりやパンなどでも補えますが、バナナには発汗で失われるミネラルや、ストレスに有効な抗酸化作用のあるポリフェノール、ビタミンCも含まれるので、運動後の栄養補給にぴったりです。

持久力アップのために、
試合の数日前から
食事や間食に取り入れる

持久力を向上させ、試合中にスタミナ切れを起こさないようにするための方法として、試合の数日前から、食事からの糖質の摂取割合を増やす方法があります。
ご飯などの主食を増やすほかに、糖質が多く含まれる果物であるバナナを、食事や間食に取り入れるのもいいでしょう。

昔から運動・スポーツをする人に支持され続けているバナナには、
このような理由がありました。
すばらしい自然からの恵みです。
バナナを食べるタイミングや、一緒に食べる食品を工夫すれば、
皆さんの健康な身体づくりに役立つこと間違いなしです。
ぜひ、これからの運動・スポーツの場面にも役立ててみてください。

木内 苑子

監修:木内 苑子

大妻女子大学管理栄養士専攻を卒業後、管理栄養士免許を取得。
現在は、管理栄養士・栄養士養成の大学や専門学校で講師を務める。
専門分野は、調理学(調理科学)・調理実習・給食実習。

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