バナナの
保存方法についてみなさんは、
どのようにバナナを保存していますか?
チェックして
バナナを長く楽しむために役立てましょう。
どんな方法で
バナナを保存してる?
バナナの追熟について
そもそもバナナは
どうやって熟すの?
バナナに限らず、野菜や果物は熟すと、自らがもつエチレンの作用で成熟が進みます。エチレンは植物の成熟ホルモンとも呼ばれます。バナナが柔らかくなり、甘くなるのはエチレンの作用によるものです。
一方で、空気中に放出されたエチレンガスにより、追熟が進み過ぎると腐敗を早めてしまいます。バナナを長持ちさせるためには、エチレンガスの影響を考えた保存方法が大切です。
輸入バナナは
青バナナから追熟させる
フィリピンや台湾などの原産地から運ばれて、日本に陸揚げされるバナナは、店頭に並ぶような黄色ではなく、硬く未成熟な【青バナナ】です。
日本では海外から害虫が日本に入り込まないように、「植物防疫法」で厳しい防疫管理をしています。成熟したバナナはやわらかくて傷みやすく、害虫もつきやすくなります。そのため、青いバナナしか日本に輸入することは法的に認められていないのです。
青い状態で輸入されたバナナを室(ムロ)と呼ばれる加工室に入れ、エチレンガスをあたえて一定期間置いて果肉をやわらかくし、人工的に追熟させます。
バナナが追熟していく過程
バナナは出荷後も追熟が進みます。気温や季節によってその速度は変わります。下の図は、追熟を経て食べ頃といわれるフルイエロー、甘味や香りが最高といわれるスターへと変わる過程です。
バナナの表面にできる茶色い斑点は「シュガースポット」と呼ばれ、バナナが熟して甘くなると出てくるものです。皮をむくと果肉はきれいでおいしく食べられます。
バナナの理想の保存方法
ここからは、バナナの美味しさを長く楽しむための
保存方法をご紹介します。
常温で風通しのよい場所
バナナを包装袋から取り出し、直射日光の当たらない14~20℃くらいの涼しく、風通しの良い場所での保存が理想です。
吊り下げて保存
バナナの房は仰向けに置くと房全体の重みで下の部分がつぶれて、早めに傷んでしまいます。バナナスタンドなどでつり下げて保存すると傷みにくく長持ちします。
スタンドがない場合は、カーブをしている部分を上にして山型に伏せておくのも、よい方法です。
1本1本切りはなして
保存する
房のままバナナを保存すると、バナナ同士のエチレンガスによって追熟が進みます。
長持ちさせるためには、1本1本切りはなして保存するのもよいでしょう。
常温で
好みの状態にしてから
冷蔵庫で保存する
暑い地域で育つバナナは低温に弱く、冷蔵庫に入れると追熟が進まず低温障害で皮が黒く見た目も悪くなります。バナナを長持ちさせたいときは、常温で好みの状態に追熟させてから新聞紙またはビニール袋にくるみ、冷蔵庫の野菜室に保存しましょう。
新聞紙でくるむと湿度をほどよい状態に保ち、冷気が直接バナナにあたるのを防げます。
食べるときは冷蔵庫から出した直後よりも、しばらく常温に置くと甘味が感じられます。
季節によっても保存方法は変わる!気をつけたい
夏と冬の保存
夏場の保存
気温が高い夏は冬よりも早く追熟が進みます。食べごろになったら、前述したような冷蔵庫の野菜室での保存もよいでしょう。冷蔵庫の中では追熟しないので、お好みの熟度になったバナナを冷やします。バナナがほどよく冷えて暑い時期に美味しく食べられます。
夏場は冷凍庫での保存も併用するとよいでしょう。冷凍保存については下記を参考にしてください。
バナナは常温保存が適切ですが、
夏の暑い時期は
冷蔵庫をうまく活用するのがおすすめです。
冬の寒い時期は、リビングやダイニングなどの
比較的冷えにくい場所におくのが良いでしょう。
保存する場所、
傷みにくい置き方などに気をつけて
バナナを長く楽しみましょう!
監修:木内 苑子
大妻女子大学管理栄養士専攻を卒業後、管理栄養士免許を取得。
現在は、織田栄養専門学校で講師を務める。
専門分野は、調理学(調理科学)・調理実習・給食実習。