イントロダクション
フィリピン諸島で2番目に大きな島“ミンダナオ島”、日本に輸入されているバナナの9割以上がこの島で作られています。ミンダナオ島は熱帯性気候。年間を通して高温多湿。平均気温は26~27℃。6月を中心に年間2,000~2,500mmの雨が降ります。この環境がバナナの生産に適しています。
ここで作られるバナナをお客様にお届けするまでに、実に30,000人以上の人々が関わっています。私たちが食べているこのバナナはどのように作られているのか、産地スタッフの声と共に紹介していきます。
※このページはバナナの生産工程を大きく8つに分けています。各工程を右側に進むと詳しい説明があります。
バナナの株分け
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バナナは種からではなく健康なバナナの子株を株分けして育てます。
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苗はとても繊細で病気や菌に非常に弱いため、密閉可能なビンの中で育て、さらに室内で管理しています。
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ビンから取り出した苗を成長度合いでグループ分けする様子
バナナの育苗
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自然環境に耐えられる強い苗を育てるために、屋内施設から屋外施設へ移され、そこで2ヶ月間育てます。
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屋外施設管理
1.グループ分けされた苗をビンからココナッツ繊維・有機肥料を含んだ土の入ったポットへ植え替えます。この時点で品種・育成期間・育成場所のタグを貼付し、管理しています。
2.急激な環境変化は苗への負担が大きく病気になりやすくなってしまいます。そのためネットを張り日光の量を調節したり、水やりをしながら2ヶ月間大切に育成します。
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屋外施設で育っている苗
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畑に植え付けされて元気に育っている苗
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ジェリー クルーズ
○趣味:テレビ ○好きな日本料理:焼売 ○好きなフィリピン料理:エビの甘酢炒め ○メッセージ:お客様のハッピーのために!
植え付けのスタッフ
こんにちは。私はジェリーです。
ドールはミンダナオ島のいろいろな所で、バナナを栽培しています。標高の高い山にある畑や、平地の畑など。その中でも私は山の中腹にある畑で苗の植え付けを担当しています。植え付けをする時に最も気を使うのは、適度な日光がそれぞれの苗に届くように必要な間隔をあけて植え付けすることです。
もちろん、植え付けをする時に苗をキズ付けないように丁寧に優しく扱うことも忘れてはいません。植え付けを開始する前に畑の水はけ・日当り・土壌を考慮して植え付けの目印となる杭やロープを使ってシュミレーションを行っています。
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土壌作り
商品にならなかった規格外のバナナ、ココナッツ繊維などを使い、約1ヶ月かけて肥料を作っています。良質な土壌は健康なバナナを育てるための基本です。
バナナの手入れ
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健康なバナナを実らせるために、植え付けから収穫までの間に補強、間引き、袋掛けなどさまざまな手入れをしながら丁寧に育てます。
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ローランド ビアッカ
○趣味:バスケットボール ○好きな日本料理: 刺身 ○好きなフィリピン料理: シニカン ○メッセージ: 私は情熱をもって仕事をしています!
補強のスタッフ
バナナの補強を担当しているローランドです。
フィリピンではバナナの木は家の庭にもあるので畑以外でも見ることができますが、日本ではバナナの木を見られる所は少ないと聞いています。
バナナの木がどのくらいの大きさになるか想像できますか?大きいもので4~5mにも成長します。更に、ステム(※)は30kgにもなります。バナナの葉も大きいので風や雨でバナナの木が倒れてしまうこともあります。そこで、支柱を畑に埋め込み、支柱と支柱の間にロープを張ります。
そのロープとバナナの木に括りつけた補強のロープを結びつけてバナナが倒れないように補強作業をしています。
傾き始めてから作業をしたのでは手遅れです。バナナの木の成長を見ながら作業をするのがポイントです。※ステム:木に実るバナナのひとかたまりのこと
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アレックス アモイ
○趣味:オートバイの運転 ○好きな日本料理: 焼売 ○好きなフィリピン料理:アドボ ○メッセージ:私達が育てたバナナで日本のお客様がハッピーになりますように!
フィンガーの間引きのスタッフ
私はフィンガー(※)の間引きを担当しているアレックスです。
せっかくのフィンガーを間引くなんてヒドイと思いますか?でも形の良いバナナを育てるためにはどうしても必要な仕事なんです。
成育不良のフィンガーがあると、規格外となり商品にできません。せっかく実ったフィンガーを間引く時は心の中で「ありがとう」を言うようにしています。バナナを間引く時は、バナナの木から出る樹液がバナナを汚さないように古新聞でカバーしたりもしてます。日本のみなさんに少しでも品質の良いバナナを届けたいと思っています。
※フィンガー:バナナ1本のこと
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ジョセフ・レンペラス
○趣味:カラオケ ○好きな日本料理:みそ汁 ○好きなフィリピン料理:アドボ ○メッセージ:ドールのバナナを食べて健康に!
子株の間引きのスタッフ
私はジョセフです。
バナナに十分な栄養が届くようにするため、子株の間引きを担当しています。
本当はバナナは”木”ではなく多年草の”草”なんです。 それでも私たちはバナナの木と呼んでいますが・・・。竹の子を想像してもらえると分かりやすいかもしれません。次々に株が芽を出しますよね?子株に水分や栄養を摂られてしまっては大切なバナナが美味しく育ちませんから間引きをする必要があるのです。
専用の道具で、根元からしっかりと子株の間引きを行います。
その時にバナナの木にキズをつけないように細心の注意をはらっています。 -
メイレン・ダマリ
○趣味:料理 ○好きな日本料理:寿司 ○好きなフィリピン料理:アドボ ○メッセージ:機会があったらフィリピンに来てください!
葉の間引きのスタッフ
こんにちは。私はメイレンです。葉の間引きを担当しています。
バナナの葉は大きいものだと3m以上にもなります。
その大きい葉で太陽の光をうけて、栄養を蓄えます。
枯れてしまった葉や、病気の葉をチェックして、他の元気な葉に病気が感染しないように間引くのが私の役割です。写真でもわかるように畑ではバナナの葉がほど良い木陰をつくり、風通しも良いので私は心地よく、畑のパトロールを楽しんでいます。
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アンドレ シモガン
○趣味:テレビ鑑賞 ○好きな日本料理:刺身 ○好きなフィリピン料理:レチョン ○メッセージ:私たちは高品質なバナナを育て続けます。
袋掛けのスタッフ
私はアンドレです。汚れたままの服装で少し恥ずかしいけど、この汚れは私が一生懸命仕事をしている証なんです。
バナナハートからバナナが顔を出し始めると、甘い香りが周りに漂います。この香りにつられて虫が寄ってきます。
そう、バナナにとってこの虫は天敵です。バナナに袋をかけるのは、虫からバナナを守るのと、バナナを袋で包むことで中の温度が上がりバナナの成長を促す作用があるからなんです。すごいでしょ!大変だけどやりがいのある仕事です。仕事の後は屋台でビールとレチョン・カワリ(豚バラ肉のカリカリ揚げ)を食べると疲れもふっとびます(笑)
※バナナハート:小さいバナナがいっぱい入った部位
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グレン アドファンテ
○趣味:バスケットボール ○好きな日本料理:焼売 ○好きなフィリピン料理:レチョン・カワリ ○メッセージ:お客様をハッピーにしたいです!
日焼け防止のスタッフ
日焼け防止担当のグレンです。
バナナの日焼けを防止するなんて不思議ですか?
1年中常夏の気候のフィリピンはバナナの栽培に適していますが、日差しが強すぎる場合があります。強すぎる日差しでバナナも日焼けしてしまいます。右の写真が日焼けしているバナナです。僕らは強い日差しが当たる場所に植えられているバナナを古新聞でバナナを保護しています。使用する古新聞は日本から送ってもらっていますが、もしかしたらバナナは自分に被せられた古新聞を時々読んでいるかもしれませんね。私は日本語が読めないけど、フィリピンで人気の日本食のシューマイは私の大好物です!
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ドニー バルモレス
○趣味:バスケットボール ○好きな日本料理:刺身 ○好きなフィリピン料理:アドボ ○メッセージ:バナナで健康に!
キズ防止のスタッフ
私はバナナにキズがつかないように保護シートをかぶせているドニーです。
キズがついてしまうのは何故だかわかりますか?まず、バナナの説明をしましょう。
バナナは1本の木に、1つのステムをつけます。
ステムは約10房のバナナがらせん状に連なっていて、1房は内側と外側の2列でできています。成長するにつれてバナナ1本1本が空へ向かって反りあがっていきます。反りあがる時に、内側と外側のバナナがぶつかり合って互いにキズを付けていまいます。
そこで、保護シートを内側と外側の間に挟む事でキズを防いでいるんです。皆さんにキズのない綺麗なバナナをお届けできるように努めています。
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アーネル アドビ
○趣味:料理 ○好きな日本料理:ラーメン ○好きなフィリピン料理:アドボ ○メッセージ:私たちのバナナを沢山食べて下さい。
枯花摘みのスタッフ
こんにちは、枯花摘みを担当しているアーネルです。
みなさんはバナナの花を見たことはありますか?バナナはフィンガーの先端に真っ白な花を咲かすんですが、枯れるとそこから菌が侵入したり、バナナを傷つけたりする事があります。
だから僕は花が枯れると手摘みで枯花を一つ一つ除去しています。根気が必要な作業だけど、僕は料理が趣味だから手先の器用さと集中力には自信があります。じつはバナナは実以外にもバナナハートを食材として使用できます。フィリピンのスーパーで買うことができ、サラダなどにして食べます。
バナナの収穫
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植え付けから約9~10か月後、バナナを収穫します。
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エファイム ポタレラ
○趣味:ハチ猟り ○好きな日本料理:刺身 ○好きなフィリピン料理:シーフード ○メッセージ:バナナ好きはみんな友達です!
サイズ測定のスタッフ
収穫サイズ測定をしているエファイムです。フィンガーの太さをチェックして、十分に成長しているか確認しています。
収穫できるサイズに育っていたら、印をつけて専任の担当者に収穫してもらいます。収穫の時期は早すぎても遅すぎてもダメなので、見落とさないように注意をして、定期的に成長具合をチェックしています。
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セサリオ ラパサ
○趣味:ココナッツワイン作り ○好きな日本料理:刺身 ○好きなフィリピン料理:パクシウ ○メッセージ:広いバナナ畑を一度は見てもらいたいです。
収穫のスタッフ
私はバナナの収穫を担当しているセサリオです。
1つのステムから約10房、200本のバナナを収穫することができます。収穫方法はシンプルです。専用のバナナナイフを使って、地面に近い一番下の房から1房ずつカットして収穫します。
収穫したバナナはキズを付けないようにトレーに並べて運送します。トレーにビニールがかかっているのは、キズを防止するためのクッションの役割と、樹液で汚さないための役割があります。いつでもどこでもバナナは丁寧に優しく扱われています。さて、バナナにもいろんなサイズがあるのを知っていますか?ステムの中で下にいくほど小ぶりなバナナになります。同じ品種であれば、大きさは違っても味に違いはありません。少しでもバナナに興味をもっていただけたら嬉しいです!
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アーネル オギョイ
○趣味:テレビ鑑賞 ○好きな日本料理:天ぷら ○好きなフィリピン料理:アドボ ○メッセージ:私たちは一生懸命バナナを作ってます。
収穫のスタッフ
私の名前はアーネルです。収穫を終えたバナナの木の後処理を主に行っています。
バナナの木は根っこから吸い上げた水分を蓄えています。
収穫を終えたバナナの木にも沢山の水分が残っています。まさしく、天然の貯水タンクですね。そのため、子株に太陽の光が当たるように、葉は全て切り落としますが、偽茎は切り倒さずに残しておきます。親株は収穫後も子株を守っているんです。
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マーク ルイス ベロン
○趣味:バスケットボール ○好きな日本料理:刺身 ○好きなフィリピン料理:シニガン ○メッセージ:私達が育てた美味しいバナナ。気に入ってくれると嬉しいです。
移送のスタッフ
私はマークです。収穫されたバナナをトラックでパッキングプラント(※)まで移送しています。
収穫されたバナナはカバーを敷いたトレーに乗せ、手作業でトラックまで運びます。このトレーは1つで約10kgもあります。私はそのトレーを1日に何度もトラックで運びます。畑の中の道は舗装されていないから、バナナを傷つけないよう運転には気をつかいます。雨の後は、ぬかるんでいるから特に気をつけています。わたしは車の運転手になるのが夢だったので毎日充実しています。でも最近は車の運転よりバナナの生産に興味があるので、時間を見つけてバナナについて勉強しています。
※パッキングプラント:バナナの検品と梱包を行う場所
バナナのパック
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ひとくちにパック(梱包)と言っても洗浄、計量、袋詰めなど様々な工程に分かれています。
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土汚れや樹液の汚れを落とすために水洗いをします。水洗いと同時に房を商品規格に見合った大きさにカットします。
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ステッカーが貼られた袋にバナナを入れ、閉じます。
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できあがり!
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箱詰めは、とても繊細な作業です。バナナが傷つかないように丁寧に箱詰めしています。
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管理番号を押印。この番号は、収穫した畑や袋詰めを行った日等の情報が分かるようになっています。
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ジョエル・パマット
○趣味:バスケットボール ○好きな日本料理:みそ汁 ○好きなフィリピン料理:フリッター ○メッセージ:バナナはいろいろな料理にも使えますよ!
パレタイジング
パレタイジング(※)担当のジョエルです。ここでは箱詰めされたバナナをパレットと呼ばれる荷役台に積んでいきます。箱を積み上げたパレットの高さは2m以上もあります。運んでいる最中に箱がずれたり、くずれ落ちたりしないように、きっちり、真っすぐ積み上げるように注意しています。
※パレダイジング:パレットに商品を積むこと
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箱詰め後は、保冷集荷場で、規格ごとに積み合わせて、港に配送します。
バナナの輸送
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いよいよフィリピンから日本へ届けます。
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品質基準を満たしているか、フィリピンの港で抜き取り検査をします。
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検品された様々なバナナが集約。アジアを中心とした各国に新鮮なバナナを届けています。
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集荷場から到着までの陸路・海路は全て温度管理を行っています。フィリピンから日本まで、5~7日間かけて輸送します。
バナナの追熟
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青い状態で日本に到着したバナナはここで美味しく追熟します。
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○趣味:食べあるき ○好きな日本料理:天ぷら ○好きなフィリピン料理:シニガン ○メッセージ:最高のバナナを目指して日々勉強しています。
追熟のスタッフ
私は追熟を管理している岩丸です。
保冷船によって大切に輸送されてきた青バナナ(実際は緑ですが、青バナナと呼びます)を約1週間かけて追熟させます。低温で仮眠状態になっていたバナナを、室(ムロ)と呼ばれる部屋に入れます。そこで、温度・湿度・二酸化炭素濃度等をコントロールして、黄色くおいしいバナナにしていきます。
バナナは生物なので、しっかり熟成しているか、毎日、朝と夕方に色や硬さの変化を確認しています。
追熟加減によって、バナナの甘味・酸味・食感が変わるので、毎日のチェックが本当に大事です。 -
○趣味:洋服/音楽鑑賞 ○好きな日本料理:とんかつ ○好きなフィリピン料理:アドボ ○メッセージ:高品質のバナナを皆様に届け続けます。
配送管理・検品のスタッフ
私は配送管理・検品を担当している豊島です。
季節によっても納品に適した追熟加減が異なります。販売先での商品状況をお聞きしながら、日々ベストの追熟加減で出荷できるようにしています。また年中安定しておいしい商品をお届けできるように、食味検査、糖度チェックをしてしっかり追熟していることを確認しています。
もちろん黄色くなったバナナはやわらかくなっているため、傷まないように荷扱いには十分注意しています。
バナナの販売
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たくさんの工程を経てようやく店頭にならびます。
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○趣味:アウトドア ○好きな日本料理:焼き肉 ○メッセージ:ドールのバナナをこれからも宜しくお願いします。
営業のスタッフ
営業の小池です。
沢山のスタッフが一生懸命作ったバナナを1人でも多くのお客様に食べていただきたいという想いで、より多くのお店に置いてもらえるよう日々の営業活動に取り組んでいます。
ドールのバナナは袋と箱に番号を貼付することでトレーサビリティを確保しており、この番号から畑や袋詰めを行った日を追跡することが可能です。
さらに、より良いバナナをお客様にお届けするために店頭での商品チェック、バナナについてもっと知ってもらうためのPOPの設置、バナナの袋をより開けやすくするための開封口の改良など様々な工夫を行っています。 -
○趣味:読書 ○好きな日本料理:焼き肉、唐揚げ ○メッセージ:買い物にいくと、ついバナナ売り場をチェックしてしまう私。これからもたくさんの「美味しい!」を全国にお届けし、ドールファンを増やしていきたいです。
営業のスタッフ
こんにちは。ドール 営業の中島です。
ドールでは、定期的に産地スタッフの研修を日本で行っています。
フィリピンと日本では文化が異なるので、スーパーマーケットの見学や市場でのサンプリングを体験し、日本での販売方法やお客様のニーズを学んでいます。自分の育てたバナナが販売されている様子を見ることは、彼らにとってとても嬉しいことなんです。
また、フィリピンからは青いバナナの状態で輸入されるので、黄色くなったバナナの検品や輸送の仕方など日本での厳しい品質管理も勉強しています。
日本のスタッフも産地スタッフからバナナの生産方法についての講義を受けたりもしています。これからも産地スタッフと一丸となって、高品質のバナナをみなさまへお届けします!
ロニー センドン
○趣味:ジム、卓球 ○好きな日本料理:刺身 ○好きなフィリピン料理:アドボ ○メッセージ:最高のバナナを作っています。
株分け・グループ分けのスタッフ
私は株分け・グループ分けを担当しているロニーです。
まずは、健康な株を選んで、何回も繰り返し株分けしています。
実に、1本の株から、1000本以上もの苗に増やしています。
その後、同じ成長速度の苗をグループ分けすることで、畑に植え付けてから収穫まで同じくらいのペースで成長するので、安定した収穫量を計算できるようになります。このような重要な作業に携わることができて嬉しく思います。