ドールの果物と、発酵食品を使った人気レシピをお楽しみください。
チーズやヨーグルト、キムチをはじめ、様々な種類がある発酵食品。日本の発酵食品としては、納豆や味噌がよく知られています。ドールではこれらの身近な発酵食品と、バナナやパイナップル、 アボカドなどの果物を組み合わせたレシピをご紹介しています。意外な組み合わせもありますが、どれも美味しいものばかり。発酵食品を使ったレシピを、ぜひ作ってみてください。
目次
【バナナ、アボカド、パイナップル&発酵食品! おすすめの食べ合わせを紹介】
健康志向の高まりで人気を集める発酵食品。バナナ、アボカド、パイナップルのようなフルーツと発酵食品を上手に組み合わせると、身体にうれしいメリットがありますよ。この記事では、発酵食品の上手な食べ合わせについて、解説します。
1.発酵食品とは?
そもそも発酵食品とはどんな食品なのでしょうか。発酵のメカニズムや代表的な発酵菌、栄養面での特徴もお伝えします。健康によいとされる発酵食品の秘密を紐解いていきましょう。
発酵食品とは?
日本の食卓には、さまざまな発酵食品が登場しますね。「味噌」「醤油」といった伝統的な調味料をはじめ、「漬け物」「納豆」「キムチ」「ヨーグルト」などもすべて発酵食品の仲間です。どれも馴染み深いうえに、その種類の多さに驚きませんか?
世界を見ても「ヨーグルト」のような発酵乳は、紀元前数千年前にすでに食べられていたことがわかっています。発酵食品は各地域の気候・風土に応じて根付き、長く愛されている食文化なのです。
現代では、発酵食品はコロナ禍での健康志向の高まり・おうち時間の増加も経て、その価値がさらに高まっている様子。実際、日本の「味噌」は海外でも認知度が上がってきています。
発酵のメカニズム
「発酵」は、食品内の微生物が増えて発酵菌が働くことで安全に食べられるようになる変化のことです。よく似た現象に「腐敗」がありますが、こちらは食品が腐ってしまい、食べることができません。
「発酵」と混同しやすい「熟成」については諸説あり、例えば「味噌」では「発酵=熟成」ともいえるため、その定義は意外とあいまいなようです。 [1]
代表的な発酵菌
発酵菌として代表的なものをまとめました。
【代表的な発酵菌と特徴】
- 麹(こうじ)菌:「味噌」「醤油」「酒」などの発酵を担い、複雑なうま味を作る代表的な発酵菌です。
- 酵母:さまざまな種類が存在しており、発酵食品ならではの香りをもたらします。
- 乳酸菌:「ヨーグルト」や「チーズ」のほか、「味噌」「漬物」などの発酵に使われます。
- 納豆菌:日本の伝統食「納豆」の製造に用いられ、酵素「ナットウキナーゼ」を作り出します。
- 酢酸菌:人類古来の調味料「酢」の発酵菌で、ツンとする酸味を生み出します。
[1]
発酵食品は、ひとつの発酵菌だけでなく複数が組み合わさることによって、複雑なうま味が得られると考えられていますよ。[1]
2.日本の発酵食品と栄養
日本の発酵食品には、栄養面でどのようなメリットがあるのでしょうか。発酵食品ならではの製造過程で生まれる栄養素や成分を知れば、発酵食品をもっと上手に活用できるかもしれません。
日本の発酵食品と麹
発酵食品は日本の食文化になくてはならない存在です。そのため、日本は世界有数の発酵大国ともいえます。
・日本を代表する発酵食品「麹(こうじ)」
日本の発酵食品の特徴は「麹(こうじ)」を使っているものがとても多いことです。日本では「米」を用いた「麹(こうじ)」を作るようになってから発酵技術が発展して、「味噌」「醤油」「酒」などが次々に生まれました。[1]
※日本の「麹(こうじ)」の歴史には諸説あります。
「麹(こうじ)」は日本の豊かな食文化に貢献する発酵菌として、日本醸造学会により2006年に「国菌」に認定されています。
発酵食品の栄養
食品を発酵させると、保存性が高まることはよく知られています。そのほかにも、消化・吸収、栄養価、おいしさが向上するなど多様なメリットがありますよ。
- 発酵で消化・吸収がスムーズに
発酵によって食品の消化・吸収はスムーズになります。「納豆」の場合、納豆菌が大豆の糖質を利用して育ちますが、その過程でプロテアーゼが大豆たんぱく質を分解するため、消化性がアップするのです。 - 発酵で栄養価がアップ
発酵により素材の栄養価は上がります。また、日本の発酵食品には大豆が多く使われますが、大豆は栄養学的に、米に不足気味なリジンという必須アミノ酸を補える食材です。主食の米と大豆の発酵食品の組み合わせは、栄養面で理にかなっているといえます。 - 発酵でおいしくなる
発酵は味にも変化をもたらします。麹(こうじ)菌が分解力の強い酵素を多く生み出して、うま味成分のアミノ酸や糖が作られると、それを栄養にしてまた乳酸菌や酵母が増殖。このように多様な発酵の広がりが、おいしさにつながっています。[1]
3.発酵食品(納豆、ヨーグルト、キムチなど)のレシピ
乳酸菌は「善玉菌」として腸内環境を整えます。腸内で「善玉菌」を増やすのは食物繊維で、フルーツに多く含まれていますよ。発酵食品とフルーツのレシピを紹介します。
ヨーグルトとバナナのレシピ
バナナとヨーグルトは王道の組み合わせで、食物繊維と乳酸菌を一緒に摂れますね。ここにゆで小豆を入れると、甘味・食感をプラスできるため、さらにおいしくいただけます。
キムチとパイナップルのレシピ
パイナップルと大根のキムチは、乳酸菌や酵素を積極的に摂りたい方におすすめ。キムチは乳酸菌を含み、パイナップルからはたんぱく質分解酵素が摂れます。さらに大根からは食物繊維が摂取できるというメリットがあるので、相性ばっちりの組み合わせです。
納豆とアボカドのレシピ
納豆はたんぱく質が多く、アボカドは良質な脂質を含み、満足感を得られる組み合わせです。納豆だけでは色合いが限られますが、アボカドと合わせるだけで、食卓を明るくできますね。
味噌とグリーンバナナのレシピ
グリーンバナナは加熱調理に向くため、スープや味噌汁の具材として便利に使えます。味噌汁は、グリーンバナナを日本食に取り入れる際には、特におすすめしたいレシピのひとつです。
4.発酵食品の種類と組み合わせ食材
ここからは発酵食品の種類と、それぞれ相性のよい組み合わせ食材をチェックしましょう。発酵食品との食べ合わせが分かると、今よりもっと上手に取り入れることができますよ。
納豆の概要と栄養
納豆は近年、米国へ本格的に進出をはじめ、海外でも注目されているスーパーフードのひとつです。ゆで大豆と比べて、ビタミンB2やビタミンB6、うま味成分のグルタミン酸が多く含まれています。ビタミンB2は三大栄養素の代謝を、ビタミンB6はたんぱく質の代謝を助ける栄養素ですよ。[2]
キムチの概要と栄養
キムチは韓国を代表する発酵食品ですが、日本においても国内製造品が多く出回り、馴染み深い存在です。キムチは世界中に進出しており、各地域で辛味・においを和らげるなど、食べやすくなるよう工夫されています。キムチの発酵には乳酸菌が関わっており、乳酸菌を摂取することで毎日の健康維持に役立つのがうれしいポイントです。
ヨーグルトの概要と栄養
ヨーグルトは牛乳のような乳汁を乳酸菌やそのほかの微生物で発酵させて作ります。おいしい健康食といったイメージの通り、乳酸菌を豊富に含み、腸内環境によい働きがあります。また、乳酸菌がたんぱく質や脂質の分解も助けてくれるため、消化もスムーズです。さらに、フルーツやはちみつに含まれるオリゴ糖との食べ合わせがよいという特長もありますよ。
発酵食品のおすすめの食べ方と組み合わせ食材
栄養や味わいの面で、発酵食品とよく合う食材を紹介します。
【発酵食品のおすすめの食べ方】
- 納豆×キムチ
納豆とキムチは日本で人気の組み合わせです。粘り気のある納豆によって、キムチの辛味や酸味が和らぎ食べやすくなる利点も。 - ヨーグルト×バナナ
ヨーグルトとバナナは栄養面・味わいどちらにおいても相性がいいですね。例えば、ヨーグルトとバナナのスムージーは、そのおいしさも相まって、多くの人に親しまれています。 - 日本酒×チーズ
日本酒がチーズのうま味を引き出すため、相性がとてもよい組み合わせです。日本酒は糖質が多いですが、チーズは低糖質のため、糖質の摂り過ぎを避けられるメリットも。 - 味噌汁×ごはん
味噌のような大豆製品は、米を主食とする日本食の栄養バランスアップにおすすめです。具材にも豆腐や油揚げを使うと、さらに栄養バランスが整いますよ。
5.発酵食品とSDGs
発酵食品は保存性の高さからも、日本の食文化を支える存在ですね。発酵によって食品を長持ちさせて有効活用できれば、SDGs達成に向けた環境にやさしい行動にもつながります。
発酵させて、食品ロスにも貢献!
発酵食品のひとつとして注目したいのが、漬け物。その種類は「ぬか漬け」「みそ漬け」「酢漬」などいろいろです。漬け物を活用すると、食材をおいしく長持ちさせることができますよ。おいしい漬け物はたくさん売られていますが、自家製の漬け物を作ってみるのもいいですね。
ぬか漬けの方法
ぬか漬けは、下処理した野菜を「ぬか床」に漬けて作ります。ぬか漬け初心者には、発酵や調味済の「ぬか床」が便利ですよ。面倒な準備はほとんどなく、誰でも簡単に「ぬか漬け」にチャレンジできます。下処理や漬け時間は野菜の種類や大きさによって変わるため、商品パッケージにある作り方をよく読んだうえで、挑戦してみてください。
【まとめ】
日本のみならず世界で親しまれる発酵食品。古くからの歴史があるだけでなく、高い保存性と栄養価、おいしさに至るまで、その人気の背景には多くのメリットがあります。さまざまな発酵食品があるので、多様な食品と組み合わせて楽しめます。健康的な食生活のためにぜひ、発酵食品を活用してみてくださいね。
<参考文献>
[1] 農林水産省|aff(あふ)2022年11月号「発酵」の不思議
[2] 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
監修
小嶋 絵美(こじま えみ)さん
フードライター・管理栄養士。
大学卒業後、保育園栄養士として務めたのち独立。
食べものと栄養について分かりやすく丁寧に伝えることを大切に、コラム執筆を行う。大手メディアで果物に関する執筆実績多数。「食材をシンプルにおいしく」誰でも簡単に作れるレシピも提案している。