ひとさじ入れるだけでカレーが格段においしくなる、フルーツとスパイスを煮詰めたインド伝統の調味料「チャツネ」。カレー研究家のスパイシー丸山さんに、Doleの商品を使った簡単&本格的なチャツネの作り方を教わりました!
教えてくれたのはこの方
スパイシー丸山(すぱいしーまるやま)さん
カレー研究家。日本野菜ソムリエ協会カレーマイスター養成講座講師。レシピ、食べ歩き、商品情報など、カレーにまつわるさまざまなトピックを日々発信。インド料理からお家カレーまで幅広く精通する。レシピにも定評があり、プロ・アマ問わないエスビー食品主催のレシピコンテスト「レッチャ!グランプリ」ではグランプリを受賞。著書に『初めての東京スパイスカレーガイド』。
目次
「チャツネ」とは? いつ、どこで生まれた?
―まず「チャツネって何?」というところから教えてください。
日本では「チャツネ」と呼ばれていますが、もともとはインドで親しまれている「チャトニ(Chutney)」というソースです。例えば、ココナッツをすりつぶしたココナッツチャトニ、パクチーとミントの葉をすりつぶしてペーストにしたグリーンチャトニ。ほかにもトマトチャトニ、ナッツ系のチャトニ、豆のチャトニなど、地域によってさまざまな種類があります。

インドで古くから食べられているチャトニは基本的に塩で味付けしたものが多く、味変目的で料理に添えられます。しかし、ある時インド東部で突然進化します。それが、私たち日本人にも身近な甘いチャツネの始まりなんです。
―なぜインド東部で?
インドは、18世紀半ば頃からイギリスの植民地になってしまうのですが、その中心地が東インドでした。現在のコルカタ(旧カルカッタ)はイギリス領インド帝国の首都で、多くのイギリス人が居住していたため、インドの食文化がイギリスの影響を受けるようになったんです。
―甘いチャトニも、イギリスの影響で?
私なりに調べたところ、どうやらイギリスの甘いジャムに影響を受けた可能性が高いようです。そうしてマンゴーやパイナップルなどのフルーツを使ったさまざまな甘いチャトニが生まれ、インド人だけでなく、インド帝国在住のイギリス人たちの味覚にバシっとハマったんですね。東インドでは、今でもデザート的に甘いチャトニを食べることがあります。
その後、イギリス人たちがインド帝国から本国に戻る際、インド式カレーとともに甘いチャトニを持ち帰り、さらにはイギリス経由で日本に伝わったんです。
―日本に甘いチャトニが伝来したのはいつですか?
ちょうど日本が開国した1850~1860年頃に、カレーとともに伝わったと言われています。「チャトニ」が、日本で広まるにつれて「チャツネ」と呼ばれるようになりました。
ちなみに、日本に伝来した当時のカレーというのは、インド式カレーではなく、日本人が家庭でよく食べるカレーです。イギリスに渡ったインド式カレーは、その後西洋式煮込み料理の影響を受け、イギリスで独自に進化していきました。それが日本に伝わり、いわゆる欧風カレーへと発展していったんです。
チャツネが欧風カレーに欠かせない理由

―カレーを煮込むときに甘いチャツネを入れるという作り方も、イギリスから伝わったのですか?
おそらくそうだと思いますが、残念ながら、その経緯ははっきりと分かっていません。ただはっきり言えるのは、日本に古くからある欧風カレー店の多くが、チャツネを隠し味に使っていることです。
―カレーにチャツネを入れると具体的にどうなるんでしょう?
まず、甘さを加えることで格段にコクが増します。僕も一時期、欧風カレー作りに夢中になりましたが、やっぱりチャツネを入れた方が「うまいな!」と確信しました。
―ジャムはチャツネの代わりになりますか?
ジャムで代用できなくもないと思いますが、チャツネは甘さだけでなく、ビネガーの酸味、スパイスやにんにくの香り、塩味、刺激が複雑に混ざり合っているので、カレーに味の厚みを与えてくれるんです。
―なるほど。チャツネにしか出せない味があるんですね。
そうなんです。特に今回ご紹介するレシピは新鮮なバナナと、カットマンゴーを使った作り方なので、市販のチャツネにはなかなか出せないフレッシュなフルーティーさもカレーに加えてくれます。材料さえ揃えばあっという間に作れるので、ぜひ挑戦してみてください!
ということで、日々あくなきカレー研究に邁進するスパイシー丸山さんが、今回特別に考案してくれた自家製チャツネレシピ。その作り方を、ポイントとともにご紹介します。
バナナマンゴーチャツネの材料

材料(作りやすい分量)
スウィーティオバナナ…1本
Doleフルーツパック マンゴー …1パック
にんにく(チューブ)…4cm
しょうが(チューブ)…4cm
白ワインビネガー…50ml
塩…小さじ1/4
ガラムマサラ…小さじ2
コリアンダーパウダー…小さじ1
クミンパウダー…小さじ1/2
カイエンペッパー(唐辛子パウダー)…小さじ1/4 (※一味唐辛子で代用する場合は小さじ1/2)
材料選びのポイントは、Doleの「スウィーティオバナナ」と「フルーツパック マンゴー」を使うこと。スウィーティオバナナの濃厚な甘味がカレーにまろやかさとコクを与え、マンゴーがトロピカルなフルーティーさをプラスしてくれます。しかもフルーツパックは、液部に砂糖ではなく果汁を使っている点もナイス! 液部も必ず使いましょう。
バナナマンゴーチャツネの作り方
①バナナの皮を剝き、カットする

バナナの皮を剝いて、適当な大きさにカットします。あとでペースト状に潰すので、形は不揃いでOK。
②鍋にすべての材料を入れて火にかける

①でカットしたバナナ(1本分)、フルーツパック マンゴー(1パック ※液部も)、にんにく、しょうが(各チューブ4cm)、白ワインビネガー(50ml)、塩(小さじ1/4)、ガラムマサラ(小さじ2)、コリアンダーパウダー(小さじ1)、クミンパウダー(小さじ1/2)、カイエンペッパー(小さじ1/4)をすべて鍋に入れて、火にかけます。
Doleの「スウィーティオバナナ」にも「フルーツパック マンゴー」にも十分な甘さがあるので、砂糖を使う必要はナシ!
③弱火で15分煮込む。

沸騰したらフタをして、弱火で15分煮込みます。
④ペースト状にしてさらに15分煮詰める。


フタを外し、マッシャーやヘラで具をペースト状に潰して、さらに15分ほど煮詰めます。
ペースト状にしたあとは焦げ付きやすいので、時々混ぜながら煮詰めていきましょう。
⑤30分ほど冷まして完成!

ジャムのようにぽってりとするまで煮詰めたら、火を止め、30分ほど冷まして完成です。

冷蔵庫で保存し、1週間を目安に使いきりましょう。フリーザーバッグ等に入れて冷凍すれば1ヶ月保存可能。使いやすいようにラップなどに小分けして冷凍するのがオススメです。
自家製チャツネを隠し味に、早速カレーを作ってみましょう。分量はカレー4人前に対して、チャツネ大さじ1くらい。カレールウを入れる前に、チャツネを入れます。トロピカルに香り立ち、まろやかでコク深い絶品カレーを召し上がれ!
カレー以外にも! チャツネの使い方あれこれ
「チャツネって、実はカレー以外にもいろいろ使えるんですよ!」と、スパイシー丸山さんがこんなチャツネの活用術も教えてくれました。
- ジャムのようにバゲットなどのパンに塗って
- ポークステーキやチキンソテーに添えて
- いつもの炒め物に加えて(大さじ1程度)
- マンゴードレッシングに(水で伸ばしたチャツネに、ビネガー、オリーブ油、塩を混ぜ合わせる)
- クラッカーにチーズと一緒にのせて(イギリスで定番の食べ方。ホームパーティーなどにも◎)
- チーズ系のパスタに添えて
- バニラアイスクリームにのせて


いろんな料理のおいしさを引き立ててくれるチャツネ。ぜひ、自家製調味料として作ってみてください!
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※記事の情報は2025年4月25日時点のものです。