皮を剥くだけでパクッと手軽に食べられるバナナのように、朝メシ前にサクッとできる「ゆるトレ」を紹介。5回目は、加齢でもっとも衰えやすい「太もも(大腿四頭筋)」を鍛える筋トレをやってみましょう。簡単でも効果抜群! 自宅で道具を使わず、わずか3分でゆるっとできる筋トレです。
目次
朝のスクワット習慣で太ももを鍛えて、健康寿命を伸ばす!
昔から「老化は足腰から」と言うように、運動不足だと足腰の筋力から衰えやすくなります。ことに真っ先に弱体化しやすいのが、太もも前側にある大腿四頭筋(だいたいしとうきん)という筋肉。
「大腿四頭筋は、自らの体重を支える『抗重力筋』。ここが衰えてしまうと体重を支えるのが難しくなり、椅子や洋式トイレから立ち上がったり、階段を上ったりといった基本的な日常動作に支障が出ることもあります。介助や介護なしに自立的に暮らせる健康寿命を延ばすうえでも、ぜひ鍛えておきたい筋肉です」(パーソナルトレーナーの澤木一貴さん)
大腿四頭筋には、曲げた膝を伸ばす働きがあります。椅子などから立ち上がる際、無意識のうちに手を膝やテーブルなどに添えてアシストしている人は、知らない間に大腿四頭筋が衰えている恐れがあります。
「ウォーキングは手軽で素晴らしい運動ですが、残念ながら歩くだけでは大腿四頭筋はほとんど鍛えられません。大腿四頭筋を鍛える『ゆるトレ』もプラスしてください」
大腿四頭筋の定番の筋トレといえば、何といってもスクワット。まずはノーマル編のスクワットをやってみましょう。それがクリアできたら、ハード編のスプリット・スクワットをやってみてください。スクワットがちょっと難しいと感じたら、よりやさしいライト編のニーリング・スクワットからトライしてみてください。
大腿四頭筋はボリュームがあり、エネルギー代謝が活発な組織です。ここを鍛えると代謝がアップして、太りにくい体質へ変身することも期待できます。
【効く筋肉】
メイン:大腿四頭筋
サブ:大殿筋(だいでんきん)
【お薦めのトレーニング頻度】
週2回以上(筋肉痛が出なければ毎日やっても可)。
大腿四頭筋を鍛える筋トレのやり方
ノーマル編(難易度・中)|スクワット
①両脚を肩幅程度に開いてまっすぐ立ちます。つま先を少し外側に向けます。両手を胸の前で組みます。胸を引き上げ、背筋を伸ばします。
②お尻を後ろに引きながら、太ももが床と平行になるまでその場でしゃがみます。この時、膝はつま先方向へ曲げ、しゃがんだ際につま先より前に出すぎないようにします。
③両足で床を強く踏んで1に戻ります。背中も腰も丸めず、つねに1の姿勢をキープします。
*4秒(4カウント)でしゃがみ、2秒(2カウント)で戻る。これを10回。1セットから始めて3セットできるように頑張りましょう。
ライト編(難易度・低)|ニーリング・スクワット
①床で膝立ちになり、膝から頭まで床と垂直にします。両腕を肩幅に開き、床と平行に伸ばします。胸を引き上げ、背筋を伸ばします。
②かかとにつくまで、お尻を下げます。
③太もも前側の筋肉を使って膝を伸ばし、1に戻ります。背中も腰も丸めず、つねに1の姿勢をキープします。
*4秒(4カウント)でお尻を下げ、2秒(2カウント)で戻る。これを10回。1セットから始めて3セットできるように頑張りましょう。
ハード編(難易度・高)|スプリット・スクワット
①両脚を腰幅に開いてまっすぐ立ち、左脚を大股1歩分後ろに引いてつま先立ちになります(右脚から始めてもOKです)。両手を胸の前で組み、胸を引き上げ、背筋を伸ばします。上体を床と垂直に保ちます。
②左膝を床に突き刺すように、前後の膝を90度曲げてその場でしゃがみます。
③両足で床を強く踏んで1に戻ります。
*4秒(4カウント)でしゃがみ、2秒(2カウント)で戻る。これを10回。1セットから始めて3セットできるように頑張りましょう。左右を変えて同様に行います。
3分ゆるトレのあとは朝バナナをパクッ!
筋トレの基本的なエネルギー源となるのは糖質。バナナは、運動で使った糖質の貴重な補給源となります。筋トレで筋肉を強く大きくするには、筋肉の材料となるタンパク質が欠かせませんが、糖質とタンパク質を一緒に摂ると、筋肉の合成が促されやすくなるというメリットも。加えてバナナは消化吸収がスムーズなので、運動後でも無理なく美味しく食べることができます。
教えてくれたのはこの方
澤木 一貴(さわき かずたか)さん
パーソナルトレーナー。(株)SAWAKI GYM代表取締役。東京都内で3店舗、沖縄県内で1店舗を運営している。大手フィットネスジムにてトレーニング指導を開始。その後、整形外科病院にてスポーツトレーナー課主任を歴任。メディカルフィットネス現場におけるリハビリ後の患者さんから、トップアスリートまで幅広い指導経験を誇る。現在はパーソナルトレーナーの後進育成にも力を入れている。バナナ+プロテインが毎朝のルーティン。
※記事の情報は2025年1月7日時点のものです。