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バナナにタネがないのはなぜ?|親子(おやこ)でまなぶ! バナナのフシギ②

タネがないからパクパク()べやすいバナナ。でも、バナナにタネがないのはなぜだろう? タネがないのにどうやって()えるのかな? そのヒミツを(さぐ)りに、(とお)(むかし)熱帯(ねったい)(もり)へタイムスリップしてみよう!

バナナのタネはどこにある?

バナナの皮をむいたイラスト

黄色(きいろ)(かわ)(つつ)まれた、(あま)くて、おいしくて、栄養(えいよう)満点(まんてん)なバナナ。()(かん)(たん)(かわ)をむけて、タネがないからパクパク()べやすい。

でも、まてよ。果物(くだもの)なのにタネがないのは、(かんが)えてみるとフシギだ。リンゴにも、モモにも、メロンにだってタネはある。

どうしてバナナにはタネがないんだろう? タネがないのに、バナナはどうやって()えるのかな?

大昔(おおむかし)のバナナの(かわ)をむいてみると…

ナゾの()がかりは、(とお)(むかし)熱帯(ねったい)地方(ちほう)(もり)(なか)にある。

大昔のジャングル

見上(みあ)げたさきに(みの)っているのは、「ムサアクミナタ」と()ばれる野生(やせい)のバナナだ。

(ため)しに1(ぽん)ちぎって、(かわ)をむいてよう。

わ! あずきくらいの(おお)きさのタネがぎっしり()まっているよ。

大昔の野生のバナナには種がぎっしり!

ムサアクミナタは、わたしたちがふだん()べている(あま)いバナナのご先祖(せんぞ)さま。太古(たいこ)(むかし)のバナナにはちゃんとタネがあったんだ。

(いま)でも野生(やせい)のバナナにはタネがあるものもあって、なかには1つの()に200()以上(いじょう)のタネが()まっているものもあるんだって。

ある()、バナナに異変(いへん)がおきた!

じゃあ、わたしたちがよく()るバナナには、どうしてタネがないんだろう?

きみは「突然(とつぜん)変異(へんい)」という言葉(ことば)()いたことある? 遺伝子(いでんし)*や染色体(せんしょくたい)*に異常(いじょう)()こり、生物(せいぶつ)性質(せいしつ)突然(とつぜん)変化(へんか)する現象(げんしょう)だ。

その突然(とつぜん)変異(へんい)大昔(おおむかし)のある()にバナナに()きて、たまたまタネが成長(せいちょう)しないバナナができてしまった。

ある日バナナに突然変異が起きた!

()べてみると、タネがないからとても()べやすい。「これはいい!」と、わたしたちの祖先(そせん)はタネのないバナナだけを(あつ)めて、(いえ)のまわりに()えて栽培(さいばい)(はじ)めた。そして()(おお)きく、(あま)くなるように改良(かいりょう)(くわ)えていったんだ。

人間(にんげん)は紀元前(きげんぜん)5000年より前(まえ)には、すでにタネのないバナナを栽培(さいばい)していたそうだ。

一説(いっせつ)によれば、わたしたち人間(にんげん)紀元前(きげんぜん)5000年より(まえ)には、すでにタネのないバナナを栽培(さいばい)していたそうだ。

遺伝子(いでんし)生物(せいぶつ)性質(せいしつ)()める設計図(せっけいず)のようなもの

染色体(せんしょくたい)遺伝子(いでんし)(しゅう)合体(ごうたい)のこと

タネのないバナナはこうして()える

しかし、きみはフシギに(おも)うかもしれない。バナナにはタネがないのに、どうやったら()やせるのだろう?

ヒントはバナナばたけにある。ここはフィリピンにあるDole(ドール)のバナナ農園(のうえん)だ。

Doleのバナナ農園

(まえ)に、バナナが()ではなく巨大(きょだい)(くさ)であるという(はなし)をしたね。おぼえているかな?

まえはなし

そのきょ(だい)なバナナの(くさ)根元(ねもと)()てみると…。ほら、そばで(ちい)さな()地面(じめん)から(かお)()しているよ。

巨大なバナナの草の根元

これはバナナの子株(こかぶ)(つち)(なか)にある親株(おやかぶ)()っこから、こうして子株(こかぶ)がつぎつぎに()えてくる。だからタネがなくとも()やしていける。この栽培法(さいばいほう)を「株分(かぶわ)け」と()うんだよ。

(べつ)()(しょ)()えられた()(かぶ)は、だんだん(おお)きくなって、1(ねん)くらい()つと3m(メートル)~8m(メートル)くらいの(たか)さになり、バナナの()をつける。

ちなみに子株(こかぶ)は、(とつ)(ぜん)(へん)()()きない(かぎ)り、(おや)(かぶ)(おな)性質(せいしつ)()()ぐ。タネのないバナナの()をつけた親株(おやかぶ)からは、(おな)じようにタネなしバナナを(みの)らせる子株(こかぶ)()えてくるんだ。

タネのなごりをたしかめよう

(じつ)は、わたしたちがいつも()べているバナナにも、その(むかし)タネが存在(そんざい)していたことがわかる証拠(しょうこ)があるんだ。

バナナを(たて)にふたつに()ってみよう。(ちゅう)(おう)(ちい)さな(くろ)(てん)(てん)(なら)んでいるのがわかるかな?

タネのなごり

これが、バナナのタネのなごり。成長(せいちょう)しなかったタネのあとだ。

はじめは(もり)のなかで、たまたまできたタネのないバナナ。それを(にん)(げん)(かぶ)()けという(ほう)(ほう)()やしていき、()(くわ)えることで、(あま)くて美味(おい)しいタネなしバナナを一年中(いちねんじゅう)栽培(さいばい)できるようになった。

バナナがモグモグパクパクと()べやすくておいしいのは、タネがたどってきた(なが)時間(じかん)人間(にんげん)知恵(ちえ)がもたらした結果(けっか)だったんだ。

バナナは種がなくて食べやすい

()()(じょう)(ほう)は2024(ねん)11(がつ)26(にち)時点(じてん)のものです。