Doleが推進している廃棄予定の規格外バナナを救出する「もったいないバナナ」プロジェクト。なんとこの度、永遠の「ミスタータイガース」である掛布雅之さんに、関西エリアでの「もったいないバナナ(通称トラバナナ)」PRを応援していただけることになりました! そこで今回は掛布さんに、この取り組みに対する印象や意気込みについてインタビュー。バナナの魅力や体づくりへの役立て方なども語っていただきました。
目次
こういった取り組みは、知ってもらうことが大切
フードロス削減の一環として、Doleが2021年から取り組んでいる「もったいないバナナプロジェクト」。皮に傷が付いていたり、サイズが大きすぎたり、熟成が進みすぎたりした規格外のバナナを「もったいないバナナ」と名付け、50社以上の企業との協業でドリンクやアイスなど加工商品の原料として活用してきました。今年9月にはプロジェクト3周年を迎え、スーパーなどの小売店で、青果としての「もったいないバナナ」の販売も開始。皮に黒く傷ついた外見がトラ柄に似ていることから、関西エリアでは「トラバナナ」という呼称をつけてPRしていくことになりました。
―「もったいないバナナ」という取り組みについて知ったとき、掛布さんはどのような印象を受けましたか?
僕は今年で69歳になりますが、僕らが子どもの頃、バナナは高級な果物で、病気のときくらいにしか食べられなかったんです。「もったいないバナナ」なんて考えられない時代でした。だから、今はそういう時代になったのだなと、改めて時代の変化を感じたし、自分の歳も感じました(笑)。
バナナに限らず、フードロスに関してはオリンピックの選手村などでも問題になっていましたよね。僕自身、Doleさんの取り組みを通して改めてしっかりとした意識を持ち、いろいろな場所で自分なりに「もったいないバナナ(関西呼称:トラバナナ)」のことを発信したり、コメントしたりしていきたいと感じました。こういった取り組みは、たくさんの人に知ってもらうことがまず大切だと思うので。
Profile
掛布 雅之(かけふ まさゆき) 1955年、千葉県生まれ。市立習志野高等学校卒業。73年、ドラフト6位で阪神タイガース入団。本塁打王3回、打点王1回、ベストナイン7回、ダイヤモンドグラブ賞6回、オールスターゲーム10年連続出場などの成績を残す。88年に現役引退後、阪神タイガーGM付育成&打撃コーディネーター、2軍監督、オーナー付きシニア・エグゼクティブ・アドバイザー、HANSHIN LEGEND TELLERなどを歴任。現在は、野球解説者、評論家として活躍し、YouTubeチャンネル『掛布雅之の憧球』も話題を呼んでいる。
―子どもの頃、バナナは病気で辛いときに食べられる高価なおやつだったのですね。
たぶん、僕らはバナナが高級品だった最後の世代。その後、どんどん身近で気軽に食べられる果物になっていきました。小腹が減ったときに食べたりする機会も多かったし、常に球場にも置いてありました。あと、車の中にもよくバナナを置いていたんですよ。
―車の中にバナナですか?
20年以上前のことですが、羽田空港の果物屋さんで、1本500円くらいの高いバナナを買ったんです。
―あの有名な高級果物店ですね。
そのとき、お店の人に「バナナは黒い点々が出てきた頃が食べ頃です。掛布さんは車がお好きだろうし、それまで車の中に置いておくと良い香りもしますよ」と教わって。バナナを買ったら、2本くらい車の中へ置くようになったんです。たしかに、良い香りがすると黒い点々が出ていて、食べると甘くて美味しいんですよね。
―では、以前から少し黒く熟れてきたバナナを好んで食べていたのですね。
そのままでも美味しいし、冷凍して食べるのも美味しいですよね。先ほど、「トラバナナ」も食べましたが、甘くてとても美味しかったです。
―Doleから「トラバナナ」を応援して欲しいというオファーがあったときの心境を教えてください。
「もったいないバナナ」の外見が黄色と黒のトラ柄だから「トラバナナ」というのは、正直、少しこじつけかなとも思ったんですけれど(笑)。でも、そこで「虎と言えば、掛布だろう」と、僕の名前を思い浮かべてもらえたことが、すごく嬉しくて。お話をいただいて、すぐに喜んでお引き受けしました。しかも、昔から身近なバナナの応援ですからね。
朝食をバナナにして、3か月で12kgのダイエット
―今もバナナを食べる機会は、多いのですか?
はい。それに、今年の5月頃から3か月くらいかけて、12kgほど減量をしたんですよ。そのとき、朝はバナナ1本と、牛乳をコップ1杯。それに小さなパンか、女房と食パンを半分ずつとか、そのくらいしか食べていなかったんです。バナナは美味しいし腹持ちもするので、とても助かりましたね。
―なぜ、3か月で12kgもダイエットを?
東京ドームでのOB戦とか、(阪神)甲子園球場での始球式とか、ユニフォームを着なきゃいけないイベントがありまして。僕らの世代の阪神ファンの方は、太っていると、やじってくるんですよ(笑)。だから、やじられるのだったら、痩せてやろうと思って。
―やじられないために12kgも痩せられるのは、かっこいいです。
それに少し無呼吸(症候群)の症状もあって、呼吸器も付けていたんです。お医者さんから「痩せないと、外せないと思います」と言われていたのですが、3か月で痩せて、呼吸器のレンタルもやめさせてもらいました。
―そのダイエットにもバナナが役立ったのですね。先ほど、球場にもバナナが置いてあったと仰っていましたが、掛布さんが現役だった当時から、スポーツ栄養学的にもバナナが良いと言われていたのですか?
トレーナーさんから、バナナはすごく消化や吸収が早く、運動をするときのエネルギーになるとは聞いていました。ただ、今と僕らの時代では、環境や(選手の)意識が全然違います。2016年から阪神の二軍監督をやらせていただきましたが、二軍の選手たちには栄養学や解剖学など、いろいろな勉強をさせていました。
―コーチやトレーナーが指導するのですか?
月に1、2回、専門の先生を招いていました。今の阪神は、そういうサポート体制がすごく整っているんですよ。それで、太りたい選手、痩せたい選手とか、個人個人で食べる順番から考えて変えているんです。僕らの時代は、「元気があるなら焼肉へ行こう!」の時代ですから(笑)。
―豪快ですね(笑)。
今の選手は、何を食べたら、何時間後にエネルギーになるのかというところまで逆算して食べています。ご飯もお茶碗一杯とかではなく、しっかりと何グラムか計って食べるんですよ。
―メジャーリーグの中継で、大谷翔平選手が試合中にベンチでバナナを食べているところを観たことあるのですが、栄養学的に必要だから食べているわけですね。
もちろん、そうだと思います。大谷選手や、ダルビッシュ(有)選手たちをはじめ、今の選手たちは、自分の身体のことを科学的に数値で理解して、食生活やトレーニングのことを考えて、怪我の少ない身体を作るわけです。僕らの頃も先生はいらっしゃいましたが、結局、「肉と野菜を食えば良いか!」くらいの話で終わっていました(笑)。
関西から全国に「もったいないバナナ」の精神を広げたい
―掛布さんは、どのような形で「トラバナナ」を応援してくださるのでしょうか?
たくさんの人に知ってもらうことが大切なので、僕のYouTubeチャンネル(掛布雅之の憧球)の中やイベント、テレビ、ラジオなどに呼ばれたときには、どんどん言葉で発信していきたいと思っています。
今度、大阪で松村(邦洋)君たちとやるラジオの特番があるので、そこでも許可がもらえたら話しますよ。この「もったいないバナナ」のTシャツを着て行ったら、松ちゃんが突っ込んでくれるだろうし(笑)。そこから話を広げられるんじゃないかな。
―そういった場所で、楽しく伝えていただけるわけですね。
バナナの話ですから難しく伝える必要はないですよね。すごく身近で美味しく、簡単に食べられる果物ですが、少しだけフードロスの問題についても考えてみましょうという話なので。実際、バナナって黒くなるくらい熟れていても美味しいのは、みんな分かっていると思うんです。でも、店頭に並んでいると、綺麗なのを取っちゃう(笑)。
―無意識のうちに綺麗な方を選んでいる方も多いのかなと思います。
そうなんでしょうね。でも、今日食べるのなら黒くなっていても美味しく食べられるし、皮に傷が付いていても中身は問題ないのだから、「トラバナナ」を買いましょうと言っていきたいです。
―最後に改めて、この記事を読んでくださっている皆さんに向けて、「もったいないバナナ」や「トラバナナ」のアピールをお願いします。
「トラバナナ」や「もったいないバナナ」は、フードロスに対する意識を目覚めさせるためのメッセージだと思っています。コンビニなどもたくさんあって、ちょっと歩けば、何でも手に取って食べられる時代だからこそ、「もったいないことは止めましょう」という意識を広めることが大事。
その第一歩のメッセージとして、「もったいないバナナ」は、素晴らしい取り組みですよね。まずは、多くの人に気付いてもらうことが大事ですから、すごく身近なバナナというのが良いと思うんですよ。
―バナナは、日本で一番食べられている果物です。
やっぱり、そうでしょう。この取り組みのスタートとしては、果物の中でも一番身近なバナナということが良いんじゃないかと思います。
だからこそ「もったいないバナナ」には、素晴らしいメッセージ性がある。しかも、黄色と黒の「トラバナナ」は、関西の阪神ファンの方たちに特に強いメッセージ性があるはず。それに関西では、昔から「もったいない」という精神が根付いていると思うんですよ。子どもがまだ食べられるものを捨てたりしたら、知らないおばちゃんからも「あんた何してんのもったいない!」って怒られる(笑)。そういった環境もまだまだ残っているはずです。そんな関西から全国の皆さんに「もったいないバナナ」の精神を広げていけたら良いですよね。
※記事の情報は2024年10月25日時点のものです。
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