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タレント 田中律子さんインタビュー「バナナを育て始めて10年ほど。1本植えたバナナの木が、今では40本に増えました」

12年前、沖縄に海が見える家を買い、生まれ育った東京との二拠点生活を始めたタレントの田中律子さん。10年ほど前から沖縄でバナナ栽培をスタートし、毎年、立派に実ったバナナをSNSなどで紹介しています。現在は三拠点生活となり、多忙な日々を過ごす田中さんにとって、バナナはどのような存在なのでしょうか? バナナ栽培や沖縄での暮らしに関するエピソードも交えて、お話を伺いました。

沖縄は第二の故郷のような場所

―東京と沖縄に加えて、今年からは「山の家」も加えた三拠点生活を始められたそうですね。まずは、どのような経緯で、沖縄と東京の二拠点生活が始まったのか教えてください。

田中 中学生のとき、仕事で初めて訪れた沖縄で初ダイビングをしたのですが、「こんな世界があるんだ」と感動し、すごくハマったんです。その体験をきっかけに、沖縄に住みたいと思うようになりました。

大人になっても沖縄で暮らしたいという思いは変わることなく、実際に家探しをスタートして。なかなかここだと思うところが見つからないまま10年ほど探し続け、12年前にようやく今の家に出合うことができました。それからは沖縄に移り住み、仕事をするときは東京に滞在するという二拠点生活が始まりました。

田中律子さん

―10年家を探す中で、今の家が見つかったときは、すぐに「ここだ!」と思ったのですか?

田中 一目見たときから素敵なお家だと感じたけれど、まさか住めることになるなんて思ってもみませんでした。というのも、もともとは今の家ではなく、知り合いが住む隣の家を見せていただくつもりで訪れたときに出合った家だったんです。

「ああいうお家に住めたらいいなあ」と思いながら東京に戻ったのですが、なんとその半年後にまったく違う方から「このお家、買いませんか」というお話をいただいて。「こんなことってあるんだ!」と驚きました。

私は海が目の前で、みんなで泊まれて、ヨガスタジオも作れるくらい大きなお家に住みたいと思っていたのですが、それが全部叶ったんです。本当に運命的な出合いでした。

―すごい偶然ですね。二拠点生活を始めて、一番大きく変化したことを教えてください。

田中 オンとオフの切り替えがはっきりできるようになったのは、やっぱり大きいです。沖縄での生活は、自然と触れあったり、ダイビングをしたりというオフの時間で、東京での生活は、仕事を中心としたオンの時間を過ごしています。

二拠点生活は大変じゃないかと聞かれることもありますが、沖縄と東京、どちらかだけだともう一方の生活が恋しくなることがあると思うので、この生活のスタイルは私にとってバランスがいいんだと思います。

―実際に住んでみて、沖縄は田中さんにとってどのような場所になりましたか?

田中 沖縄は、もう、なくてはならない場所です。

私は、東京生まれで実家も東京で、祖母たちと一緒に住んでいたので、田舎と呼べるような場所がありませんでした。でも、今は、沖縄へ帰るたびにみんなが「おかえり」って迎えてくれる。あたたかい人たちばかりで、コミュニケーションが多いのも沖縄の生活ならではです。本当に第二の故郷のような場所になっていて、沖縄に住んでよかったなって心から思っています。

田中律子さん

Profile
田中 律子(たなか りつこ) 1971年7月17日生まれ。東京都出身。12歳のときにスカウトされ、モデルとしてデビュー。現在はタレントとして雑誌やバラエティ番組などに出演する一方で、NPO法人アクアプラネット理事長、日本サップヨガ協会理事長などを務め、多方面に活躍の場を広げている。

─沖縄ではオフの時間を過ごされているということでしたが、サンゴの再生など、地域に根付いた活動にも精力的に取り組まれています。

田中 サンゴの再生活動は、私にとってのライフワークのひとつです。「アクアプラネット」というNPO法人で、もう18年ほどやっています。今のペースだと2040年にはサンゴが絶滅すると言われているので、そうならないためにも、この活動は継続していかなければと思っています。これはもう私の使命というか、海でずっと遊んでいるので、海への感謝として続けていきたいです。うちにも娘がいるし、娘や孫の世代まで、子どもたちが安全に遊べる環境を残していかないといけないですよね。

―大好きな場所を守るための活動なのですね。二拠点での充実した生活を送られている中で、今年春からは「山の家」も新たな拠点としてスタートしています。「山の家」は、田中さんにとってどういう場所なのでしょうか?

田中 山の家は、今は別荘みたいな感じです。曾祖父の土地だった場所に立てた家で、周りは緑が豊富で、少し高台にあるから開放感もあって。東京から新幹線で行ける距離なので、仕事の時間が空いたときなど、気分をリフレッシュしに山の家に行っています。まだ揃っていないものもあるし、あまり長く泊まったこともないのですが、これからいろいろと整えて、より居心地のいい場所にしていきたいです。

バナナ栽培を始めたのは、近所の人が声をかけてくれたのがきっかけ

―ここからは、Doleのバナナ担当社員も同席させていただき、田中さんが沖縄で育てているバナナについて伺います。まず、バナナ栽培を始ようと思ったきっかけから教えてください。

田中 実はバナナを育てたいという強い意志があったわけではなく、近所のおじいちゃんが「うちのバナナの木を持って行って、それを植えな」と言ってくれたのがきっかけです。

バナナを育てるというと大がかりなことに感じられるかもしれませんが、沖縄ではけっこう普通にお庭とかでバナナを育てているんですよ。ホームセンターでもバナナの植木が売っているし、自分で栽培し収穫して食べることは、珍しいことではないんです。

おじいちゃんがすすめてくれたバナナの木は、残念ながら掘っても掘っても全然抜けず、結局、ホームセンターで植木を買って育て始め、10年ほど経った今ではめちゃくちゃ増えて。1本のバナナの木が、40本くらいになっています(笑)。

田中律子さん

―そんなに増えるんですね!

田中 私も驚いています。バナナは実を収穫したらその木は枯れてしまうので、切って次の木を育てるのですが、そうやって切ったり、台風で折れたりしたものを畑に転がしておくと、そこからまた新しい木が生えてくるんです。それで気付いたら、こんなに増えていました。

―田中さんが育てているのは、どんな種類のバナナなのですか?

田中 品種はもう分からなくなってしまいました。島バナナではなくて、一般的なものよりは小ぶりで皮が薄く、実がもちもちとしている甘いバナナです。外国で食べるバナナのように、少し酸味もあります。いつもまだ実が青いときに収穫して家の中にぶら下げ、追熟させてから食べています。

─お家で追熟させると、好みの熟し加減で食べることができそうですね。

田中 そうなんです。皮が真っ黒になるまで置いておいた方が甘くなるので、それくらいじっくり追熟させてから食べるのが好きです。

うちのバナナは皮が黒くなるまで待っても実が軟らかくなり過ぎず、食感も美味しいままなんです。

田中律子さんが栽培したバナナ
田中律子さんが栽培したバナナ

─今年は6月に収穫されたバナナの写真をSNSに投稿されていましたね。毎年、その時期に収穫できるのでしょうか?

田中 そうですね。でも、収穫できるのは年に1回というわけではないです。11月頃にお花が咲いた木のバナナは、5~6月くらいに収穫できるようになるので、台風が来る前に収穫することが多いです。そのバナナたちを収穫した後に花が咲く木もあって、今度はその木のバナナが夏から冬にかけて、どんどん収穫できるようになります。

―1年の中でも、何度もバナナを収穫できるのですね。収穫時期が重なり過ぎないよう、あえて木によって成長のタイミングをずらしているのですか?

田中 いいえ、まったく意図していません。何もしなくても、バナナが自ら時期をずらしてお花を咲かせ、実になってくれるんです(笑)。

―それはすごいですね。バナナを栽培する上で、大変なことはありますか?

田中 それが、うちのバナナは育てる上でほとんど大変なことというのはなくて。お花が咲き始めたら、牛糞とかのナチュラルな栄養が入った肥料をあげて、実が大きくなってきたら、下の花を落としたり、葉っぱが邪魔になっていたら、切ったりするくらいです。それだけで毎年立派にバナナが育ってくれます。

─果物を育てるって大変なイメージがあるので、意外でした。Doleのスタッフさんに伺いたいのですが、バナナは、もともと育てやすい果物なのでしょうか?

Doleバナナ担当 そうですね。温暖な気候であれば、比較的、育ちやすくはあります。沖縄の土地や気候も、バナナを育てるのにとてもいい環境なのだと思います。

―そうなのですね。田中さんは、バナナの栽培方法は誰かに教わったりしたのでしょうか。

田中 特に教わってはいません。なにせ、勝手に育ってくれるので(笑)。

最初の頃はバナナが黄色くなってから収穫しようと思って、そのまま置いておいたら、鳥に全部食べられてしまって。鳥も美味しくなったのが分かるから、熟す前に収穫しないとだめなんだなという学びがありました。そういう風に、育てながら徐々に知っていった感じです。

―トライ&エラーが、今の美味しいバナナにつながったのですね。バナナを栽培していて楽しいと感じるのはどんな瞬間ですか?

田中 バナナの花が咲いているのを見つけると、とても嬉しい気持ちになります。それと、やっぱり自分で収穫したものを食べられることに幸せを感じます。

今では毎年たくさんのバナナができるので、友達に「手作りのバナナだよ」ってプレゼントしたりします。みんなすごく喜んでくれるので、そういった瞬間もバナナを育てる醍醐味かもしれません。

―もらった方もきっと嬉しいでしょうね。田中さんは、沖縄でバナナ以外にも何か育てていますか?

田中 今は、バナナとレモンとドラゴンフルーツ、あと、パッションフルーツとグァバを育てています。

―南国らしい果物がたくさんですね! その中でも、やはりバナナが一番育てやすいのでしょうか。

田中 はい、私にとっては一番手がかからない子です(笑)。

田中律子さん

バナナはなくてはならないスーパーフード

―バナナを栽培している田中さんは、食べる機会も多いと思います。食べ物としては、バナナにどのような魅力を感じていますか?

田中 皮をむけばすぐに食べられて、栄養が豊富で、しかも美味しいのがいいですよね。私はサップやヨガなど運動をする前後にバナナを食べています。

―スポーツのお供にもぴったりなんですね。そのまま食べる以外に、アレンジをされることもあるのでしょうか。

田中 冷凍したバナナでジュースを作ったり、アイスを作ったりしています。うちのバナナは1回の収穫で市販品の30房分くらいは獲れるので、食べ切れない分は皮をむいて、冷凍保存しているんです。

バナナはしっかり甘みがある果物なので、お砂糖とかを使わなくても満足できる甘さのおやつを作れるのがいいですね。

田中律子さん

―自分が育てたバナナの手作りおやつなんて素敵です。田中さんにとって、あらためてバナナとはどんな存在ですか?

田中 カリウムやビタミンなど体に必要なさまざまな栄養が入っているのに、手軽に食べられるスーパーフードだと思っています。私の生活にはなくてはならないものだし、かけがえのない存在です。

それに、バナナが嫌いな人って、あまりいない気がします。

―たしかに、あまり聞いたことがない印象です。

田中 赤ちゃんからお年寄りまで、食べやすいし、みんなにとって大切な食べ物だと思います。

うちのバナナ、甘さでは「極撰バナナ」に負けました(笑)

―せっかくの機会なので、今日はDoleの「極撰バナナ」をご用意しました。食べていただき、感想を伺えますか?

田中 いただきます。(「極撰バナナ」を一口食べて)甘い! すごく美味しいです!

「極撰バナナ」は、どういうバナナなのですか?

Doleバナナ担当 標高500m以上の高地で栽培されたプレミアムバナナで、標高が高いところで育てると、糖度が高くなりやすいんです。ただ、手間をかけて育てている分、お値段は少し高めです。

─「ちょっと高いがかなり美味しい」というキャッチコピーが付いているバナナです。

田中 (「極撰バナナ」をさらに食べた後)ちょっとお高いというのも納得できるくらい、本当に甘みが強いです。それに、スカスカしていないというか中身がギュッと詰まっていて、濃厚な味わいですね。

これはジュースとかでアレンジせず、皮をむいてそのまま食べたくなります。

田中律子さん

―ご自身が育てているバナナと、似ている部分はありますか?

田中 もちもちした食感で密度が高い感じが、うちのバナナと少し似ています。でも、甘さでは負けました(笑)。こういうバナナ、大好きです。

私はバナナと言えばDoleさんというイメージがあるのですが、こんなに美味しいバナナを作っているなんて、やっぱりすごいです。

―「極撰バナナ」、気に入っていただけてよかったです。ちなみに、バナナ栽培者としてDoleに聞いてみたいことなどありますか?

田中 今あげている肥料の量や種類が、これでいいのかというのはぜひ伺いたいです。

Doleバナナ担当 毎年バナナが十分に育って、収穫できているというお話だったので、肥料が足りないという心配はないと思います。バナナは肥料が足りないと、栽培できなかったりするので。

田中 そうなんですね! すくすく育ってくれているので、それを聞いて安心しました(笑)。

田中律子さん

─最後に、今後バナナ栽培でやってみたいことがあれば教えてください。

田中 バナナを収穫したときの写真をSNSにアップすると、コメントとかで「食べてみたいです」とよく言われるので、いつか「Dole」のマークみたいに「Ritsuko」マークを作って、バナナをプレゼントしてみたいです(笑)。本当に実現できるかどうかは分かりませんが、できたら楽しいだろうなって思っています。

─「Ritsuko」マークのバナナ、ぜひお目にかかりたいです。バナナ愛あふれるお話をありがとうございました!

※記事の情報は2024年10月29日時点のものです。