廃棄予定だった規格外バナナを救出し、価値ある商品に生まれ変わらせる「もったいないバナナ」プロジェクト。その一環として、ただいまDoleで絶賛開発中なのがバナナを″炭“として活用する方法です。アウトドア業界からも注目を集める「もったいないバナナ炭」についてご紹介します。
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Doleも参加! アウトドアのスぺシャリストたちが全国から集う「ジャパンアウトドアリーダーシップカンファレンス」
東京・西多摩地区で6月に行われた「第12回ジャパンアウトドアリーダーシップカンファレンス」。このイベントは全国のアウトドアガイドや野外教育者が一堂に集まり、〈教育・環境・リスクマネジメント〉の3つの観点でスペシャリストたちによる講演やフィールドワークショップ、公開討論会などを行う催しです。
Doleはこのカンファレンスにスポンサーとして参加。流通の過程で様々な要因により規格外とされたバナナを救出し、新たな食品や資源として生まれ変わらせる「もったいないバナナ」プロジェクトについて知ってもらうべく、中身に問題のないもったいないバナナを来場者に提供。まだまだ美味しく、安心して食べられることをアピールしました。
Doleが開発中の「もったいないバナナ炭」に興味津々!
スポンサータイムには、株式会社ドールのドール拡大推進室、中島小織(なかじまさおり)さんが登壇し、現在研究を進めている「もったいないバナナ炭」についてプレゼンテーション。
「もったいないバナナ炭」とはその名の通り、もったいないバナナを炭化させたもので、キャンプやバーベキューの際の火熾しに使用したり、脱臭調湿材、土壌改良剤、飼料添加剤として使用したりといった活用方法が検討されています。
プレゼンでは年間約2万トンのバナナが流通規格外として廃棄されている現状や、そんな規格外バナナからいかにして炭が作られるのか、さらにはマングローブ炭、備長炭と比較して着火しやすい点や灰になりやすい点などが紹介されました。
会場内に設けたブースではバナナ炭の試作品を展示。現場の第一線で活躍する野外活動家の皆さんは興味津々で手に取りながら、「軽いので着火しやすそう」「ユニークな形で子どもたちも喜びそう」「キャンプで使ってみたい」など、バナナ炭の商品化に期待の声を寄せていました。
アウトドアリーダーが考える「もったいないバナナ炭」の可能性とは?
では、実際にバナナ炭を使ってみた方はどんな感想をもったのでしょうか? 今回のカンファレンスで司会を務め、本イベントの共催団体・NPO法人Leave No Trace Japan(リーブノートレースジャパン)の副代表理事である寺田達也(てらだたつや)さんにお話を聞きました。
―まず、寺田さんが副代表をお勤めのLeave No Trace Japan(LNTJ)の活動内容について教えてください。
LNTJは環境倫理を教育テーマに扱っている団体で、メンバーは全員アウトドアガイドとか野外教育者とか自然の中で活動している人たちです。
「Leave No Trace」を日本語に直訳すると「痕跡を残さない」という意味です。自然の中で楽しむということは、つまり、自然の中に人間が分け入っていくことになり、少なからず環境にダメージを加えることになります。でもそこに喜びや学習効果があるから、みんな森や川や海に出かけていきますよね。
LNTJはアウトドア活動を行う一方で、科学的な裏付けをもとにできるだけ環境インパクトをかけないような行動指針やアイデアを伝えている団体です。例えば、「食器は水辺から60m離れたところで、必要最小限の天然洗剤で洗おう」とか「石、植物等すべての自然物は置いて帰ろう」とか。自分の子どもの世代や孫の世代が、同じ場所で同じアクティビティを行ったときに、今日と同じ喜びが得られるように…というのが我々の目指すところです。
―そんなアウトドアのフィールドで活動されている寺田さんに、今回「もったいないバナナ炭」を使っていただきましたが、率直な感想をお聞かせください。
まず面白いなと思ったのが、燃やしたときになんとなくバナナっぽい匂いがするんですよね。なかにはバナナの原型をそのまま留めている炭もあって、「バナナだ!」って宝さがしみたいに興奮するんですよ。これは子どもたちも喜びそうだなと。
―火のつき具合はいかがでしたか?
非常に着火しやすく、その点は一般的な炭に比べて圧倒的に利便性はいいなと思いました。一方で、火力が少し弱いかなという印象でした。だからアイデアとしては、着火材のような役割として初めにバナナ炭を使い、その後は一般的な木炭などとハイブリッドで使うと早く火がつくし、火力も安定するんじゃないでしょうか。
―アウトドアシーンでの使い勝手としてはいかがでしょうか?
何よりバナナ炭は早く燃えて灰になりやすいのが良い点だと思います。だから残置物になりにくいですよね。
意外かもしれませんが、炭は炭素の塊なのでそのままでは生分解されないんですよ。なのでLNTJとしては、炭として自然に残すくらいだったら、灰になるまで燃やしきって、ミネラルにしたほうが環境インパクトは少ないと考えるわけです。そういった意味でも僕はバナナ炭に可能性を感じました。
―自然環境のことを考えると、バナナ炭の″すぐに燃えて灰になる“という点は評価ポイントになるんですね。ほかにバナナ炭を使って感じたことはありましたか?
もったいないバナナ炭は、廃棄される予定だった規格外バナナを再加工してできるものですよね。しかもその生産が、バナナの産地であるフィリピンでの雇用創出にもつながると聞きました。そうしたバナナ炭を使うことで社会貢献に役立つというストーリーやメッセージは今の時代に響くのではないでしょうか。
あと個人的には、バナナ炭を炊飯器に入れると美味しいごはんが炊けるのか?というのも気になるところです(笑)。バナナ炭が商品化される日が来ることを、今から楽しみにしています!
※記事の情報は2024年8月27日時点のものです。
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