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プロレスラー・棚橋弘至選手インタビュー|アスリートのバナナライフ

バナナの魅力を深く知り、日々の活動にも活かしているアスリートたちに、バナナの活用法などを聞く「アスリートのバナナライフ」。今回登場するのは、新日本プロレスが誇る「100年に一人の逸材」棚橋弘至選手。昨年12月には、新日本プロレスリング株式会社代表取締役社長に就任し、看板レスラー兼社長という二つの重責を担っています。そのパワフルな活動の支えにもなっているというバナナの魅力や、今後の展望などを語っていただきました。

栄養豊富で美味しいバナナは、フルーツ界の逸材です

―新日本プロレスの社長就任から約半年が過ぎました。日々の生活には、どのような変化がありましたか?

生活のパターンががらりと変わりましたね。選手だけのときは、基本的に試合以外の時間は、練習など自分の時間にあてられたんです。でも、社長になってからは、平日の10時から18時までは事務所に出社。それが終わってから、ジムへ行ったりしています。

―棚橋選手は以前から「生まれてから疲れたことがない」と公言されていますが、さすがにお疲れの日もあるのでは?

いや、疲れないです。僕は、(2012年に)東京ドームの大勢のお客さんの前で、「生まれてから疲れたことがない」と言って以来、疲れられないという十字架を背負って生きているので(笑)。たしかに忙しいですが、初めての経験も多くて新鮮ですし、日々、社長としてのスキルをスポンジのように吸収しています。

Profile
棚橋 弘至(たなはし ひろし) 1976年11月13日生まれ。岐阜県出身。岐阜県立大垣西高等学校では、野球部に所属しプロ野球選手を目指していた。立命館大学法学部に入学すると、プロレス同好会に所属し、プロレスラーを目指し始める。大学卒業後の1999年4月に新日本プロレスに入門。鍛え抜かれた美しい肉体とアグレッシブなファイトで、2006年の初戴冠を皮切りに、通算8回もIWGPヘビー級王座を戴冠。新日本プロレス復興の立役者となった。2023年12月23日、新日本プロレスリング株式会社の第11代代表取締役社長に就任。

―実際に疲れないために意識していることなどがあれば、教えてください。

毎日のルーティンを決めていることですね。僕は、朝歩くことや、プロテインを150g以上摂ることなどを毎日のルーティンにしていて。夜寝る前、それらを達成できたか思い返すんです。「朝歩いたし、プロテインも飲んだし、仕事や練習も頑張った。今日もよくやったな」って思いながら眠るとぐっすり眠れる。その日の充実感は、睡眠の深さに影響すると僕は思っています。

―1日の終わりをどんな気持ちで迎えるかが、大事なのですね。

僕もプロレスの試合で負けたり、盛り上げられなかったりすることはあります。でも、沈んだ気持ちのまま次の試合に臨んでも絶対に盛り上がらない。落ち込んでいる時間って、その後のバネになることもありますが、人生の中で一番もったいない時間だと思うんです。だから、僕はすぐに気持ちを切り替えるようにしています。これは、僕の長所なのですが、沈んだ気持ちを一瞬で切り替えられるんです。

―それはすごい。真似をしたい人は、大勢いると思います。

僕には、気持ちを切り替えるためのおまじないがあって。こうやって(顔の前で)人差し指で円を描いて指を鳴らしながら、「わ~すれろ!」って唱えると、負の感情を忘れることができる。どんなことでも良いのですが、ネガティブな気持ちから切り替えるスイッチを自分に作ることは大事です。あとは、毎日バナナを食べることですね! バナナに含まれているトリプトファンがセロトニンを作り、セロトニンがメラトニンを作るんです。セロトニンは、心を安定させて幸せを感じやすくするし、メラトニンは、睡眠を深くする。バナナは、朝、昼、夜のそれぞれで食べたときの効果が違うんです。

―バナナにも詳しいのですね。

はい。つまり、1日を充実させようと思ったら、朝昼晩とバナナを3回食べれば良いわけです。しかも、バナナの一番素晴らしいところは、すごく美味しいこと。栄養豊富で、しかも美味しいなんて完璧ですよ。フルーツ界の王様はドリアンかもしれませんが、フルーツ界の逸材は、バナナです!

―棚橋さんも毎日、バナナを食べているのですか?

もちろんです。筋トレをしているジムでもプロテインを飲む場所の横にバナナが売っていて。ミキサーにかけてプロテインとシェイクして飲む人も多いのですが、僕はそのまま食べるのが好きです。少し固めのバナナをしっかり噛んで食べたい。顎を動かして食べると満腹中枢にも刺激がいくし、腹持ちもさらに良い気がするじゃないですか。

―Doleのバナナを食べた感想も聞かせてください。

「極撰バナナ」をいただいたのですが、本当に甘く濃厚で美味しいです。「ちょっと高いがかなり美味しい」というキャッチコピーも自信が伺えて良いですね。バナナは高地で栽培すると糖度が増すと伺いました。高地で鍛えると強くなるのは、バナナもアスリートも同じなんですね(笑)。

プロレス会場は、気持ちがリフレッシュする「パワースポット」

試合シーン
©新日本プロレス

―バナナにちなんだ質問なのですが、棚橋さんのプロレスラー人生の中で「一皮むけた瞬間」を教えてください。

一皮むけた瞬間は、(2006年に)初めてIWGPヘビー級のチャンピオンなった後です。タイトルマッチに勝利して、「さあこれからだ! 俺が新日本プロレスを盛り上げていくんだ!」と思った矢先に、会場でファンの方から大ブーイングが起きるようになってしまって。当時の僕は、昔ながらのプロレスファンの方には嫌われていたんです。

―試合へのモチベーションも下がりそうですね。

でも、僕にブーイングが来たら、対戦相手には声援が行くわけじゃないですか。だから、「その試合が盛り上がればそれで良いや」と達観できたんです。そのブーイングも含めて、僕が引き出しているファンの方のリアクションなんだと考えられるようになったときが一皮むけた瞬間でしたね。ますますチャラくなりました(笑)。僕が嫌われれば嫌われるほど対戦相手が好かれるので、もっとブーイングをもらってやろうと思ったんです。

―チャンピオンとして数多くの名試合を披露して、人気プロレスラーとなり、社長にも就任した棚橋さんですが、プロレスラーになったときに思い描いた目標は、どのぐらい実現できているのですか?

実は、2019年に新日本プロレスが過去最高利益を達成した頃に、一度ゴールテープは切ったんですよ。超満員の会場も増えて、次世代の選手も育ってきて。産卵を終えたシャケのように、後は流されていくだけかなと思っていたんです(笑)。ところが、キャリアの全てを懸けて盛り上げてきたプロレスが、新型コロナのせいで停滞してしまった。自分たち以外の原因でこんな状況になるということほど、悔しいことはなくて。「もう一回、プロレスを盛り上げてから終わってやる!」と思ったんです。僕は、「V字回復の立役者」って言われたんですけど、今度は「W字回復」を実現してみせます。それが今の一番のモチベーションですね。それに、プロレスラーである限りはチャンピオンも目指します。

―では、改めて、棚橋さんが思うプロレスの魅力や醍醐味を教えてください。

プロレスラーとしてではなく、客観的に見たときの魅力は、プロレスは「非日常」ということです。僕はよく「プロレス会場は、パワースポットです」と言っていて。世知辛い世の中ですから、学校や仕事などに関して、ストレスや嫌なこともあると思うんです。でも、プロレスの会場に来たときだけは、そういったものを忘れられる。自分の好きな選手を応援して、名前を叫んで、勝った負けたで一喜一憂して、感情が大きく振れると、本当にリフレッシュされるんです。

―感情を解放できるのですね。

僕らプロレスラーは、応援されてエネルギーを送ってもらっているけれども、ファンの方は、応援している選手が頑張る姿を観て、「私も、僕も頑張ろう」という気持ちになる。プロレス会場では、プロレスラーとファンの方の間で、見えないエネルギーの交換が起きているんです。だから、パワースポット。まだプロレスを生で観たことが無い方は、ぜひ一度、会場にエネルギーを浴びにきてください。

―会場へ行けば、誰でもパワースポットだと実感できるのですか?

はい。でも、そのときは、少しだけでも予習してもらえたら、より楽しんでもらえるかなと思います。出場選手の名前を調べて、感覚で「この選手、応援してみようかな」と思ってもらえるだけでも全然違うので。もちろん予習はしなくても、1回来てもらえたら、必ず気になる選手が出てくるので、復習は自然としてしまうんですけどね。そうやって、プロレス沼にはまってください! もし、推しが見つからないときは、入り口として僕を応援してください。他にもっと好きな選手ができたら、そっちに移っちゃっても良いので(笑)。前から、僕を入口に新日本プロレスのファンになってくださったのに、他の選手に推し変する方は多いんですよ(笑)。

―そのくらい、棚橋選手以外にも、魅力的な選手が大勢いるということですね。

そのとおりです。次の世代のスターがこんなにも充実しているのは、経営者としても本当に心強いです。先ほどお話ししたW字回復の手応えも感じています。新日本プロレスをもっと大きくして、コロナ禍以前の新日本プロレスよりもさらに盛り上げてみせますよ。V字回復のときは、3年くらいかかりましたが、今は、SNSもあるし、配信も充実しているから3年もかからないはず。もっと早い段階で上昇気流に乗れると思います。バナナのような曲線を描いて上昇してみせますよ(笑)。

株式会社ドール本社でのインタビュー後、社員とも交流した棚橋選手。今回の本社訪問が実現したのは、なんとドールの青木社長が休日に散歩中の棚橋選手と偶然出会ったのがきっかけ
株式会社ドール本社でのインタビュー後、社員とも交流した棚橋選手。今回の本社訪問が実現したのは、なんとドールの青木社長が休日に散歩していたところ、棚橋選手と偶然出会ったのがきっかけ

※記事の情報は2024年8月7日時点のものです。