わたしたちにとって身近なフルーツ「バナナ」。バナナが好き!っていう人は多いけれど、バナナがどんな花をつけ、どんなふうに実るか知っている? 熱帯の作物「バナナ」がどうやって育つのか、見てみよう!
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みんなが大好きなフルーツ「バナナ」
スーパーのくだものコーナーで、夏も冬も1年を通じて売られているバナナ。
日本よりも南の熱帯、亜熱帯の地域で作られているフルーツで、日本で手に入るバナナの多くは東南アジアの島国・フィリピンで育ったものなんだ。
わたしたちがよく見かけるバナナは、きれいな黄色の皮におおわれて、さわるとひんやりすべすべ。1房にだいたい4~6本のバナナがくっついていて、1本1本の形はすこしカーブしているね。
皮をむくだけでぱくっと片手で食べられる、甘くておいしいバナナ。じつは日本で一番食べられているフルーツなんだ!
びっくり! バナナの木は存在しない?
きみはバナナ畑を見たことある?
大人でも見上げるような高さに、大きな葉っぱが何枚も重なって、さんさんと降りそそぐ太陽の光をたっぷり浴びている。その様子はまるでジャングルのよう。
バナナはバショウ科バショウ属に分類される大型の多年草。多年草とは、一度植えると次の年も、その次の年も、何年にもわたって育つ草花のこと。そう、バナナは木ではなく、大きな「草」だったんだ。
バナナが「草」である証はどこに?
「バナナが草だなんて信じられないよ!」と、きみが思うのもむりはない。大きいものだと10mにも成長するんだもの。では、バナナが草である証はどこにあるだろう?
それは、バナナの「仮茎(または偽茎)」と呼ばれる部分を見てみるとわかりやすい。
この仮茎は、じつは柔らかい葉っぱが何枚も重なり合ったもの。仮茎をすぱっと横から切ってみると、木の幹にある「年輪」がない。そこが、バナナが草である証のひとつなんだ。
バナナの実はどこになるの?
初めは小さな苗だったバナナ。6カ月くらいすると大きく育った葉と葉の間から、ラグビーボールみたいなむらさき色のふくらみが伸びてきた。
おや、これはバナナの花かな? おしい! これは葉っぱが何枚も重なりあった「苞」というもの。別名「バナナハート」とも呼ばれているよ。
この苞が一枚ずつめくれると…
白い花びらが見えてきた! これがバナナの花。花の付け根には、生まれたての小さな緑色のバナナの実がずらり。バナナの子どもたちは、苞の中で生まれるんだね。そうして1本のバナナの草には、200本ものバナナが実るんだって。
バナナの実がカーブするナゾは?
よく見ると、生まれて間もない緑色のバナナの実は、まっすぐで、下を向いている。
でも少したつと、房もどんどん増えてきて、まっすぐだった実も上に向かってカーブしてきたよ。バナナの向こう側にはまぶしい太陽。
バナナの実のあの独特のカーブは、太陽に向かって伸びた証だったんだ。
きみが朝ごはんや昼ごはんを食べているとき、遠い南の国では、太陽の光をたっぷり浴びながら、たくさんのバナナたちがぐんぐん育って、きみに会う準備をしているんだ。
※記事の情報は2024年7月30日時点のものです。